週刊少年松山洋_タイトル_修正

足掻く者達へ捧げる鎮魂歌

ゲーム業界で働く仲間たちと定期的に飲み会を開催しています。

これは自然と集まってきたゲーム会社所属のクリエイター・プロデューサー・アーティスト・プログラマー・ディレクター・プロモーションなどに従事するメンバーで構成されたLINEグループで声掛けが為されます。

“そろそろ集まって飲もうぜー”

って誰かが言い出したら、その言いだしっぺが幹事をやってみんなそのLINEグループで出欠を取ってお店を予約するって感じです。

毎回だいたい20人くらい集まって飲みます。

で、どんな話をするかというとだいたいがお互いの近況を語る感じです。

“ぴろし、お前のこないだの記事見たぞ!うちの社内でだいぶ炎上しとったわ!”

“うっさいな、炎上ちゃうやろ、御社の社員はみんな俺のこと大好きやな!色々と俺の動向をチェックしてくれてサンキューな!”

“いやー、ウチで今やってるプロジェクト過去最悪の進行ですわ”

“いやいやいや、ウチの方がひどいって”

“○○のアイツなんで辞めたん?ネットニュースで見たわ”

“■■■らしいで?けどホンマかな?本人呼んで聞いてみようぜ。誰か電話しろ”

“今バタバタしてて今日はさすがに顔出せないって言ってる”

“声ぐらい出せるやろ、スマホをスピーカーにして参加させろ”

てな、ノリで、まあ、ご覧のとおりみんな無茶苦茶です。

え、なに?ゲーム業界ってこんな野蛮人ばかりなの?って毎度思いますが、まぁ、野蛮人ばかりですね。ファントム無頼です。

私はこの集まりのことを『ゲーム業界クソ飲み会』と呼んでいます。

“業界の底辺のようなクソみたいな連中が集まってクソみたいな話ばかりするために飲んでいる”ので合っています。

話の内容は様々ですが、だいたい

“ウチの会社が今どんだけヤバイ状態で大変なことになってるか自慢”

になります。

毎度

“いやいやいやいや、ウチの方が大変なことになってるんだって”

というセリフの応酬です。

本当にクソみたいな連中です。

ただ、私は毎度この『クソ飲み会』に参加するたびに、ある種の勇気のようなモノを貰って帰ります。

と、いうのも参加者の皆がそれぞれの会社の“酷い目にあった自慢”を話すのですが、決してそれだけでは終わらないからです。

“その最悪な状況・状態から脱却するためにどんな奇策を今打っているか?どうやってそれらの大問題をクリアしたか?そのために新たに生まれた新ルールや体制の変化、そして会社の上層部に対してどのようにして闘ったのか?”

こういった内容にまで必ず切り込むのです。

よくネットなんかで見かける

“この会社○○でヤバイな”

とか

“オレはその会社がどれくらいヤバイか一発で見抜ける”

とか

“このプロジェクトは死んでる、もう未来が無い”

とかエラそうに言ってマウント取ってるつもりになってる馬鹿野郎共との大きな違いはココです。

以前、こちらの記事“増刊号『正しいだけじゃ不十分』な世界”でも書きましたが、“○○は間違っている!”とか“○○するのは良くないと思います!”なんて指摘は小学生にだって出来ることなのです。

言い方を変えると。

“(当事者からすれば)そんなことお前に言われなくてもとっくにわかってるんだよ。それを外野から何言ってんだ。こちとらソレをわかった上でなんとかするために日々汗水流して考えて考えて闘ってるんだよ!”

ってことです。

私は同じ業界で働いて闘っているこのクソみたいな仲間たちのことを“足掻く者達”と呼んでいます。

みんな現状をどうにかするために考えて闘って実行して検討してまた闘う、足掻いて足掻いて決してあきらめない連中です。

そうした姿を飲み会でクダを巻きながらも前に進もうとしているアイツラを見て、同業として誇らしくも“負けてらんねえな”と思うのです。

年末も差し迫ってきてちょうど

“そろそろ集まって忘年会やろうぜー”

ってライングループに書き込みがあったのでアイツラのことを書きました。

*****

さて後半部分は定期的に開催しているこの『ゲーム業界クソ飲み会』で実際に起きた事件を紹介したいと思います。(絶対に転載禁止です)

ゲーム業界クソ飲み会事件簿
-足掻く者達へ捧げる鎮魂歌-

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