ゲーム業界でアーティストを目指す人へ
第96号『ゲーム会社に受かる人落ちる人』の反響が大きいです。
沢山の人に読んでいただけました。
それだけ“ゲーム業界で働きたい!”って思っている人たちが多いということだと思います。
今回はもう少し具体的に。
アーティストという職種に絞って【攻略法】をお伝えしようと思います。
ゲーム開発におけるグラフィック全般のお仕事をする人のことを総じてアーティストと呼びます。
現在の家庭用ゲームの開発の現場で活躍するアーティストのお仕事は以下のように大別されます。
①キャラクターモデラー
3DCGでキャラクターやモンスターなどのモデリングをしてテクスチャーを描いてマッピングするお仕事。
②BGモデラー
BGとはバックグラウンド(背景)のこと。ゲーム内のステージや屋内のCGを作るお仕事。
③3Dアニメーター
①のキャラクターやモンスターにリグを設定してアニメーションをつけるお仕事。最近はモーションキャプチャーで収録することも増えましたが、やはりアクションのデータなどは手でつけることが多いです。
④エフェクトアーティスト
ゲーム内のエフェクトを作るお仕事。剣の軌跡だったりヒットしたときの衝撃だったり。炎・水・氷・雷などの魔法や忍術もエフェクトです。
⑤シネマティックアニメーター
いわゆるカットシーンと呼ばれるリアルタイムデモなどのシーンデータの制作、そして必殺技などの演出カットの制作を行います。
⑥UIデザイナー
UIとはユーザーインターフェースのこと。ゲーム内に表示されるコンボ表示やライフゲージなどの基本的なものから、ミッションクリア時のリザルト画面・武器屋道具屋などの購入画面&メニューなどの制作も行います。
実際にはこれ以外にももっと細かな職種が存在するのですが、今回はわかりやすく説明するために大別されたこの6種の仕事で話を進めます。
まず【攻略】として最初に考えなければならないことがあります。
それは“どの職種を目指すのか?”ということ。
“はぁ?そんなの当たり前じゃん!”って思われるかもしれませんが。
実は全然そんな“当たり前のこと”がみんな出来ていないのです。
“どの職種を目指すのか?”ということは“決定”をするということ。
この“決定する”ということを実はほとんどの人がやっていないのです。
どういうことか説明します。
新卒のアーティスト志望の学生さんと話をするとだいたいこういう人が多いです。
“キャラクターモデラーになりたいんです!”
“BGモデラーになりたいんです!”
だいたい“こう”言う人はほとんどが【嘘】の場合が多いのです。
実際に話を突き詰めて聞いてみると。
学校にいる間に学んだ内容がモデリングまで、というケースがほとんどなのです。特に2年制の専門学校の場合は勉強できるのは実質1年。2年目は就職年度ということでもう就職活動が始まってしまいます。学校に入学してパソコンの座学やワード・エクセルなどを触ることから始めて、それからCGを触り始めるけど基本的なモデリングからテクスチャー・そして背景を作ってそこにキャラクターを立たせてレンダリングして出力して文化祭で壁に貼って展示して、それで終わり。良くてもキャラクターをアニメーションさせてムービーとして吐き出して終わり。そんなものは作品でもなんでもありません。ただのチュートリアル。
なのにみんなそこで時間切れ。
今自分ができることをアピールして就職活動に臨むしかないのです。
在学中に学んだCG技術がモデリングだけなんだから、やっぱり自分自身がなりたいんじゃあない。“それしか学んでないからこれしか出来ません”という人が実に多いのです。
本来、どの職種を目指すのかを決定するためには一通りの制作を実際にやってみて“うん、なるほど、自分の能力が一番発揮できるのはこの職種だな”と、まず自身の適正を判断しなくてはなりません。
なのにほとんどの学生が時間切れで、途中までしか学んでいないのにそれをさも正当化するかのように“私はモデリングがしたいんです!”って嘘をついているケースが多いのです。
これは指導者の責任です。
本人に適性を判断させるためにもとにかくざっくりでもいいから極めて早い段階で一通りの作業や制作を行って見極めをやらせるべきなのです。
そしてもうひとつ。
ゲーム業界でアーティストを目指す人へ
どの職種を目指すのかを決定する上で大切なことがあります。
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