第364号『時に病名は何としましょうか』
もう3月21日(月)放送予定の最終話(10話)で完結するタイミングで本当に恐縮なのですが、やっぱり紹介させてください。
今クール放送のドラマで完全にドハマリしたのがこの『ドクター・ホワイト』です。主演は浜辺美波さんです。
もうヤバイくらいにハマりました。
毎週、月曜日だけはキッチリと仕事を終わらせて22時には必ずテレビの前で正座しながら観ていました。
本当に正座して観るくらいハマりましたし、間違いなく面白いです。
第一話の時点でドハマリしました。
そして原作があの樹林伸さんなんです。だから納得もしました。
『ドクター・ホワイト』ってタイトルから医療モノの印象がどうしてもあると思いますが、観てみると全くそんなこと無いんですよ。
やってることは完全に少年漫画です。
医療の知識も興味もなんにも無くてもしっかりと誰もが楽しめる漫画のようなドラマなんですよ。(そこがまた凄い)
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そもそも樹林伸さんってご存知ですか?
実は元は少年マガジンの編集者だったんですよ、この人。
しかし、ただの編集じゃなくて数々の大ヒット作品の原作まで手掛けられたなかなかの化物編集者である意味業界の有名人でもあるワケです。
『金田一少年の事件簿』『探偵学園Q』『リモート』『サイコメトラーEIJI』『でぶせん』『東京エイティーズ』『クニミツの政』『シバトラ』『神の雫』『GetBackers-奪還屋-』『エリアの騎士』『BLOODY MONDAY』
ざっと挙げるだけでもこれだけの大ヒット作を生み出された文字通りのヒットメーカーです。(なんなら編集者時代の担当作品が『GTO』なんですよ)
『ドクター・ホワイト』に関しては樹林伸さんが2015年から書かれている同名の小説が原作となっています。
私は小説原作を全巻一気に購入してしまいました。
それぐらい面白いのです。
たぶん世の中的には月9だった『ミステリと言う勿れ』にみんな夢中だったと思うのですが、私はその後の月10である『ドクター・ホワイト』の方にハマりました。
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『ドクター・ホワイト』の凄さってその設定やストーリーやキャラクターの魅力もさることながら、やっぱり王道設計なんですよね。それが凄い。
だって主人公の女性(浜辺美波)ってドクターじゃないんですよ?
『ドクター・ホワイト』なのに。
記憶の無い正体不明の少女なんです。発見された時に白衣をまとっていただけで、医師の免許も何も持っていないんです。それなのに主人公をやれているんですよ。これが凄い。
医療の世界って外科とか内科とか心療内科とか色々と分かれてるじゃないですか、担当領域が。
けど患者にとっては病気は病気であって専門分野が何であれ不調であることには変わりが無いんです。
そしてその病名をしっかりと診断するためには複数の分野のプロフェッショナルが集まってみんなで症状を診断して病名を確定するしか無いんです。
それが一番正しくて効率がいいはずなんです。
しかし現代医療はそういうシステムにはなっていません。
だからこそ、そこに目を付けた企画設計になっているんです。
だから、医師免許が無い主人公でも確定診断をするための話し合いに参加出来るんです。
これって発明だと思いませんか?
「これこそが企画である」と私はドラマの第一話を観た瞬間に感じてそれこそ文字通りに感銘を受けました。
こういう世の中の当たり前にふとした疑問をぶつけることで「ではどうあるべきか?」と考えて着想することこそが本当の意味での企画であると常々思い知らされます。
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「今起きている複数の問題を一気に解決する行為をアイデアと呼ぶ」
これは任天堂の宮本茂さんの言葉です。(私自身直接耳にしたことは無いですがどうやら宮本茂さんがおっしゃった言葉のようですよ)
まさにその通りであると思います。
そして世の中の不平不満にはそのヒントが隠されているとも思います。
みんなが困っていること・文句を言っていることを解決すればそれはニーズとなるわけですから実に理にかなっています。
そして私自身もそういった観点から企画を作るのが好き、というよりもそういった価値観というか順番でいつも企画を作ります。
だから樹林伸さんの作品とはウマが合うんだと思いますね。
だから心地良いと感じるんだと思います。
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さて、ここからはそういった企画を作る際の「なるほどね」という納得というか理解を産むための創作の話をしていきたいと思います。
なんというか、基本的な企画を作る際のファーストステップの話だと思っていただければと思います。
というか、「私はいつもこういうプロセスや考え方で企画を作っています」という話になります。
それでは張り切っていきましょう!
『心という名の不可解』
私はいつもスタッフと一緒に企画を作る時にはまず最初に話し合いをします。話し合いとは文字通りで「なんのためにこの企画を作るのか?」ということから話し合うということです。
ある意味での『その企画の存在意義』とも言えると思います。
実は私はこの思考というか考え方って基礎的な・基本的なプロセスだと考えています。
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