ゲーム業界志望者の不合格理由2023②
ゲーム業界志望者の不合格理由2023②
-ゲームデザイナー編-
まず最初に上のリンクを見ていただけると助かります。
上のnote記事はサイバーコネクトツーでゲームデザイナー部門を統括している取締役・西川さんによる『新卒ゲームデザイナーが採用されるための方法』がまとめられています。
YouTube動画の方は同じく西川さんによる『ゲームデザイナーとして必要な能力や人物像』などを実にわかりやすくかつ具体的に説明した動画です。
まずこの2つ(記事と動画)を見てもらえるだけで「ゲームデザイナーにとって基本的に必要なものは何か?」ということがバッチリ理解してもらえると思いますので良かったら見てくださいね。
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さて『ゲーム業界志望者の不合格理由2023』第二回目はゲームデザイナーの不合格理由について掘り下げていきたいと思います。
この1年間でおよそ160人以上のゲームデザイナー(企画職)志望の学生さんを審査して、わずか4名しか合格者は出ませんでした。(前回参照)
合格率でいうとわずか2%という恐ろしい実態です。
では、なぜこんなにもゲームデザイナー志望者は合格しないのでしょうか?
その理由を今回は(も)赤裸々に最新の情報を元に説明していきますね。
不合格理由は大きく9つありますので順番に紹介します。
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不合格理由①ゲームを作ったことが無い
もうハッキリと先に言ってしまいますが、ゲームソフトを一度も作った経験が無い人がゲームデザイナーとして採用されることは無いということを知ってください。
別に超絶クオリティのゲームを作った人じゃないと合格できないなんてことはありません。
普通のレベルで構いませんのでとにかくゲームソフトの制作経験を積んでおいて欲しいのですが、(ホントに不思議なのですが)応募者全体の50%くらいが「まるで一度もゲームソフトを作ったことが無いのに応募してみました」という人たちなのです。
何度も何度も「ゲーム制作経験必須」と伝えていても「企画書だけでもいいですか?」と聞いてきたりします。
いや、あの、ハッキリと「作ってください」と伝えていますよ。
むしろ何故ゲームソフトを作らないんですか?
そして作っていないのになぜ応募してくるんですか?
明らかに準備不足です。だから不合格になってしまうんです。
もう一度言いますが「ゲームソフトの制作経験は必須」ですよ。
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不合格理由②作ればいいってもんじゃない
不合格の傾向として次に多いのがこの「何コレ?」と思ってしまうようなゲームソフトを送って来られるパターンです。
「結局クオリティが大事ってこと!?さっきと言ってることが違う!」
いいえ、違いませんよ。超絶クオリティなんか求めていません。
むしろかなり甘い評価をしていますよ。
だって採用して育てていきたいので。
ただ、物事にはなんでも限度ってものがありますよ。
例えば「2Dの横スクロールシューティングゲーム」などを応募して来られて、「えっと、他に作った作品は無いですか?」と聞いても「無いです、これしか作ってません、というか初めて作ったゲームソフトがこれです、え、駄目ですか?」と言われたりします。
そうなると答えは「……駄目ですね」となります。(よって不合格)
なんで2Dのゲームでいいって思ったんでしょうか。
サイバーコネクトツーのゲームソフトに限らず、現在のゲーム業界のビジネスは(任天堂ですら)3Dアクションゲームだらけですよ?
まぁ、要は「コレしか作って無いけどとりあえず応募してみた」ってことなんでしょうけどそれでは確実に不合格ですよ。
だって入社しても与えられる仕事がありませんので。
なのでそういう人は雇えません。
求められるスキルをちゃんと身につけてから応募してくださいね。
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不合格理由③作ってる量が足りない
これはもうほぼ上の不合格理由②と同じ内容になってしまうのですが、だいたい不出来な作品ほど「初めて作りました」って言う人が多いです。
事実そうなのでしょう。だから不出来なのですよ。
これもハッキリ言いますが、1本~3本くらいのゲーム制作経験ではまず合格することは難しいです。
だってあまりにも不出来で普通以下で、なんの魅力どころか当たり前にやるべきこともやれていなくて触った人間の貴重な時間を奪うだけの無意味で無価値なゲーム作品(とすら言い難い)のようなものなのですから。
何故そうなるかわかりますか?
作って無いからですよ、量を。
なんでもそうですが、研鑽を積めば必ず人は上達します。
上達しないのは研鑽どころかやっておくべき当たり前の努力をやっていないから下手なままなのです。
1本~3本程度では上達は見込めません。
ただの努力不足であり不真面目です。
8本~10本作ってください。そうすれば必ず上達しますよ。
応募いただく際にはぜひ最後に作った10本目を送ってきてください。
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不合格理由④企画書だけで応募してくる
これも不合格理由②&③とまったく同じですが、要するにゲームソフトを制作することもせずに企画書だけを作って応募してくる人がいらっしゃいますがやはり不合格ですよ。
だってゲームソフトの制作経験が無い人が作った企画書の何を信用したらいいのでしょう?
作ったことが無いのに?ゲームの企画書を作ってみた?
それは企画書では無くてただの怪文書ですよ。
だってその企画書の通りに作れば面白くて売れるゲームソフトが開発できますか?
わかるわけがない。だってゲームを作ったこともないのですから。
少なくともサイバーコネクトツーではこの10年以上企画書だけで(ゲームソフト作品を1本も作らずに)合格した人は一人もいませんよ。(シナリオライター以外は)
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さて、ここまではいわゆる一次審査における応募作品の不合格理由について説明してきました。
ここからは面接時の不合格理由について(事例含めて)具体的に説明していきますね。
まず前提として最近の面接傾向について説明しておくとですね。
一次審査である作品審査に合格した人が満を持して(100点の状態で)二次審査であるオンライン面接に進む、というイメージがあるかと思いますが実態はそうではありません。
応募者のほとんどがやはり未熟で合格ライン100点に絞ってしまうと現在はみんな不合格になってしまいますので、そうなると採用はゼロということになってしまいます。
なので合格ラインを70点にまで下げて……と言いたいところですがそれでも合格する人は(最近は)全然いらっしゃいません。
だから(特にこの数年は)この合格ラインを50点まで下げています。
まさに「能力は50点なのでかなりギリギリで厳しいところだけど本人と一度面接してみて姿勢や適性があるようであれば後は入れてから育てていきたいよね」という気持ちで面接を実施しているのです。
その前提を踏まえた上で読んでくださいね。
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不合格理由⑤ゲームを全然遊んでいない
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