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喜連瓜破(きれうりわり)は必殺技名ではなく地名
私は今から25年以上前、大学を卒業後にコンクリート二次製品メーカーに就職して転勤後は大阪営業所で仕事をしていました。
コンクリート業界の営業マンのお仕事は関西地区の2府4県(大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀)を営業車を運転して市役所などの行政や建設現場を走り回って訪問して商談するというお仕事でした。
毎日のように車で2府4県を走り回っている中でふと道路標識を見て違和感を覚えました。
『喜連瓜破』
これは大阪にある地名です。『喜連瓜破(きれうりわり)』と読みます。
初めて目にした時は当然ながら読むことが出来ませんでした。
最後に『破』なんてついてるもんですから「え、なんか必殺技みたいでカッチョいい」とか思ってました。
それからちょっと気にして街を走りながら地名を見るととてもじゃないけど普通には読めないような漢字の地名が続々とあることに気づきました。
「杭全」「箕面」「立売堀」「放出」
読めます?これ。
「くまた」「みのお」「いたちぼり」「はなてん」
「放出」がなんで「ほうしゅつ」じゃなくて「はなてん」なんでしょう?w
他にもあります。
「廿山」「毛人谷」「雁多尾畑」
「つづやま」「えびたに」「かりんどおばた」
もう「雁多尾畑(かりんどおばた)」なんて全く理解不能です。難しすぎて笑っちゃうレベルです。(関西の該当地区のお住いの皆様すいません)
けどこうした地名にも調べていけばそれぞれが何故その地名になったのかというルーツが必ずあります。(『瓜破』なんかは昔のお坊さんが実際に真っ二つに割れた瓜を目撃したことからその名を……といった具合です)
まぁそれぞれの地名がどういったルーツで付けられたのかというのは自分で調べてください。興味があれば。
今回はこうした『ルーツをめぐる旅の話』です。
例えば私の苗字である『松山』という名前のルーツはなんでしょう?一般的に『松山』と聞くと愛媛県にある松山城を連想しますよね。
『松山』のルーツ
天下を収めていた徳川家康の姓である松平の「松」をもらい、それ以前の例として奥州会津の城を「若松」城、信州川中島の城を「松代」城と改めたように、「勝山」を「松山」と改めたそうです。
また四季を通じて常緑樹であり樹齢も長く長寿のシンボルであることに加え「神の木」と呼ばれるほど美しい姿を持つ松にちなみ「松山」と名付けられたという説もあるようです。
なるほど、諸説あるようですね。けどパッと調べただけで簡単に出てくるのが実にいい時代になったものだとしみじみ思います。
けどこうして一般的な名前や地名はネットで調べたりしても簡単に出てきますが、世の中には当事者でないと知りようが無いルーツというものも存在します。
例えば『サイバーコネクトツー』という社名のルーツ。
もともと会社を設立した1996年当時は有限会社サイバーコネクトだったのでそこから探っていきましょう。
サイバーコネクトという名称は当然ながら造語です。設立時に当時の10人のメンバーでアイデアを出し合って決めたのでした。
これからはゲームも3Dポリゴンの時代になってどんどん表現が豊かになっていくんだから作り手とお客様を“電脳的に繋いでいく会社にしていこう”という思いから電脳(サイバー)接続(コネクト)という社名が誕生しました。
それからやがて私自身が代表をやるタイミングで心機一転社名を変える時に新たなメッセージを加えました。
これからオレ達は生まれ変わるんだ。とはいえ今までサイバーコネクト時代にやって来たことだって無かったことにはしたくない。だからサイバーコネクトを第二段階に押し上げるという意味を込めて『ツー』とつけよう。これにはもう一つ意味があってよく「+αの仕事をしよう」なんて言うけどこれからは「+α」ぐらいじゃ駄目だ。「+α+α」という2倍くらい前のめりな仕事をするという精神を持って進んでいこう。今日からわが社はサイバーコネクトツーだ。
こうして新しいメッセージと共に新生サイバーコネクトツーは発進したのでした。
という、会社名のルーツの話でした。
ええ。
はい。
そうですね。
まぁ、全部ウソですけどね。
本当にすいません。なんかちょっとイイ感じの社名ルーツのエピソードにしちゃってますが完全にウソです。後から全部私が作った作り話です、これ。
いや、だって、そうするしかなかったんだもん。
え、真実の話を聞きます?まぁ本当の由来を知れば私の気持ちも少しはわかってもらえるかもしれませんのでお話ししましょうかね。
『サイバーコネクト』社名のルーツの真実
設立メンバー10人で社名の案を出し合ったところまでは本当です。けどね、そこで出てきた案が『めけめけ団』だったのですよ。わかります?『有限会社めけめけ団』ですよ?もうね、なんか当時の若さというか何も考えてない感じが出ちゃってますよね。しかも本当に『めけめけ団』に決定しそうになってたんですよ。当然ながら私が猛反対して「頼むから別案も出してくれ」と懇願して出てきたのが『サイバーコネクト』でもう登記するまでの時間もあんまり残されてなかったから「うん、サイバーコネクトでいこう!」って言ってさっさと登記してきたのでした。
はい、これが真実です。そして『ツー』のルーツはこちら。
『ツー』社名のルーツの真実
みんなを集めて私が話をしたところまでは本当です。ただ実態は「プレイステーションもツーになったしとりあえず俺が社長になってわかりやすく変わったことをアピールするためにも『ツー』をつけるよ。ゲーム会社らしくていいよね?」といったノリでした。
はい、元ネタはなんとプレイステーションだったのです。(だから2006年にプレイステーション3が発売するタイミングでスタッフ達はまた社名が『サイバーコネクトスリー』に変更されるって思っていたようです)
なんにせよ本当に『めけめけ団』にならなくて良かった。当時の俺、ファインプレー!って褒めてあげたい。
西尾維新さんが『刀語』という作品の中で「結局は歴史というものは書き記された書物から作られた創作である」と語っていますが、まさにその通りだと思います。
最初がどんなにカッコ悪い発想からスタートしていたとしても結局あとから情報は上書きできるということです。
その時代を生きた証人がいなくなった時点で当時を窺い知る方法は残された文書や記録でしかありませんからね。
そう考えると我々が教科書なんかで学んできた歴史ってやつも必ずしも鵜呑みに出来る情報ではなくて、真実は隠されていて別に存在するのかもしれませんね。
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さて後半部分はもう少し掘り下げて『ゲームソフトにおける名前のルーツ』をお話していきたいと思います。
結構それぞれのタイトルのプロモーションの中でインタビューなどを通じてお伝えしているエピソードの表と裏の話をしていこうと思います。
ゲームソフトにおける名前のルーツ
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