外伝カット

『チェイサーゲーム 外伝 -破邪の封印編⑤-』

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これは漫画『チェイサーゲーム』の外伝シナリオになります。

単行本出版時に描きおろし漫画として掲載予定の原作を先行公開するという暴挙企画の予定、だったのですがそこそこのボリュームになってきたので発表・掲載の方法はまた追って考えます。

この『外伝』は漫画『チェイサーゲーム』に登場するウオカワ(魚川貴央)を主人公とした物語です。

株式会社サイバーコネクトツーに入社して大暴れを始めた魚川貴央の元に妹からLINEで連絡が来た所からの続きになります。

いよいよクライマックス=核心となります。

これは―――ひとりのゲームクリエイターの誕生の物語です。

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【チェイサーゲーム 外伝 -破邪の封印編⑤-】

妹とは昔から仲が良かった。

あえて“良かった”と過去形の表現を使ってしまったが、それは決して“今はそうではない”という意味では無い。

今も妹とは仲が良い。

少なくとも魚川貴央自身は今でも“そう”思っている。

歯車が狂い始めたのはやはり“あの頃”からだと思う。

両親の離婚―――

自分自身は高校一年生だったこともあってその全てを“理解”した。

母には父が合わなかったのだろう。

父には母が合わなかったのだろう。

そこは夫婦といえど元は“他人同士”だ。

“そんなこともあるだろう”

自分自身は“そう”言い聞かせて納得していたつもりでいたが、どうやら妹にとっては“そうではなかった”らしい。

それも仕方が無いとは思う、何ぶん当時の妹は小学6年生だったのだから。

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