第338号『まだ始まってない人間が終わることはない』
先日の週刊モーニングに掲載された『バトルスタディーズ』にこんなセリフがありました。
「誰もお前に期待してないし信頼も寄せてない まだ始まっていない人間が終わることはない」
新しく就任したキャプテンが自分自身の不甲斐なさに絶望して「キャプテンを辞めようと思う」と言い出した時に仲間が言い放ったセリフがこれなのですよ。
『バトルスタディーズ』という作品はPL学園をモデルとして描かれている甲子園野球漫画なのです。
正直言って私自身は全くスポーツにも野球にも興味が無い人間なのですが、やっぱり漫画となるとそれは別腹となりどんな野球漫画でも楽しめるのですが中でもこの『バトルスタディーズ』という作品には高校球児たちを通じてこういった哲学的なセリフがほぼ毎週飛び出すのが超好みでド真ん中にツボなんですよね。
この号のこのセリフを読んだ時もハッとさせられました。
自分自身も含めて多くの人が「あかん、もう無理、完全に詰んだ、終わった」なんてことを簡単に口にしてはいけないんだな、と思わされるセリフのように感じました。
だって、事実、終わっても無ければ始まってもいないんだから。
(漫画とはいえ)高校球児ですら自分たちをこうやって奮い立たせて闘っているんですから、もっと背筋を伸ばして前を、いや、上を向いて歩いて行かなきゃなりませんよね、って話でした。
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最近はちょうど会社(福岡本社&東京スタジオ)でインターンシップの学生さんをお預かりしているタイミングということもあって、よく若い学生さんと話す機会が多いです。
これはもう意図的にスケジュールを組んであって『今週の水曜日と木曜日のお昼はインターンシップの学生とそれぞれランチトーク』みたいな予定があらかじめ入れられているのです。
で、実際にランチを食べながら学生さんと話すと実に奥ゆかしい姿勢というか、みんな凄く真面目で礼儀正しいのは良いのですが言い換えると元気が無いというか前のめりな姿勢はあんまり感じられないというのが最近の風潮といった感じです。
こういうのを目の当たりにするとやっぱり人事担当者や先輩社員は「最近の若い人達は全然ガツガツしてないなぁ」なんてことを思いがち(言いがち)ですが、その度に私は「そんなことは無いんじゃない?」という話をするようにしています。
確かに一見するとそのように(礼儀正しく奥ゆかしい)感じる部分もありますが、それはたぶんある種の『第一形態』のように思うんですよね。
言い換えると『警戒レベル1』ということです。
要するに警戒されているんですよ、我々は。
ましてや『失敗するくらいなら初めから欲しがらない』という姿勢で生きてきた、いや、違うな、そういう風になるように仕込まれて教育されてきた世代の若者たちですからね。
たぶん、我々が若い時だってそんなに言うほど初対面の人間の前でガツガツ出来なかったことってあると思うんです。
忘れてるんですよ。長い年月をかけて。そうだったってことを。
一緒なんです。我々と。
だからいつだって歩み寄るべきは『上』であるべきと私は思っています。
『目上』と言われる側の人間は常にそれを意識するべきだと思っています。
まずは理解する。早く『第一形態』を解いてもらって『第二形態』に進むこと、そうするとようやく本当に言いたいこと知りたいことが彼らの口からも出てきます。
ひょっとしたらそれは我々の時代の頃と比べると『遅い』と感じる部分もあるかもしれませんが、やっぱり程度の差はあれど同じことだと思います。
逆に言うと『遅いだけ』って話です。
だったらそれをコッチが早められるように工夫して話しやすくなるように打ち解けることが一番の解決法だと思うんですよね。
だって年上ってそういうもんでしょう。『目上』なんでしょう?それくらいの配慮と貫禄と懐の深さは見せていきましょうよ。
『今どきの若いモンは』というセリフはまだ早い。言うべきじゃない。
だって、我々も彼らもまだ始まってもいないんだから。
まだまだこれからです。
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さて、我ながら意図せずともなかなかポエミーな感じになってきていて、ある意味で「らしくない」気もしてきましたので後半はちょっと違う切り口でいってみようと思います。
読みましたか?『魔老紳士ビーティー』を。
今月発売のウルトラジャンプ最新号に掲載された読切作品です。
もとは荒木飛呂彦先生の連載デビュー作である『魔少年ビーティー』を大胆にも西尾維新&出水ぽすかという究極のコンビでリメイクではなく完全新規でゼロから生み出した新作漫画ということです。
もちろん私は発売日にウルトラジャンプを購入して真っ先に読んだのですが、今回はその感想について述べていこうと思います。
それでは張り切っていきましょう!
我々はこの老人を知っているッ!
まず『魔少年ビーティー』という作品が少年ジャンプで連載されたのは1983年です。およそ38年前です。当時の私は中学生でした。
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