週刊少年松山洋_タイトル_修正

中国の方が安くてクオリティが高い

ゲーム業界でCGグラフィックを制作するアーティストを目指すのであれば、やはり知っておかなければならないのが中国の存在。

現在、世界中で開発されているAAA(トリプルA)タイトルのグラフィックリソースの多くが中国で作られています。

現代の最新ゲームはグラフィックリソースが膨大です。

1タイトルで使用されるデータは数万を超えます。

物量が半端じゃありません。

どこのゲーム開発会社もプリプロダクション(試作段階)で基本的な構造とクオリティラインを決定したら、本開発時に大量な物量制作を中国のCG会社に発注しています。

『コール オブ デューティ』も『バトルフィールド』も『グランド・セフト・オート』も、きっとみなさんが知っている大型タイトルの多くがグラフィックリソースを中国に発注しているのです。(ちなみに弊社もそうです)

それを踏まえた上で。

今、学校で勉強している学生のみなさんが制作されているCGは『コール オブ デューティ』の背景グラフィックよりもクオリティが高いですか?

『バトルフィールド』よりも良く出来ていますか?

比較するだけ、土台無理な話です。

だからこそ、安易に“キャラクターモデラー”や“BG(背景)モデラー”を目指していけないのです。

ここでも【攻略】を考える必要があります。

では、中国で作られていない・発注されていないグラフィックリソースは何か?ってことを考えましょう。

それは“3Dアニメーション”と“エフェクト”と“UIデザイン”です。

中国のCG会社の特色として、最も得意としている作業は“モデリング制作”です。

仕様書やデザインの通りにキャラクターや背景グラフィックを制作することは非常に慣れていますし上手いです。

『コール オブ デューティ』のグラフィックを作っていますからね。

けど、そんな中国のCG会社にも苦手分野があります。

それがアニメーションやエフェクトなどのクリエイティビティが高い作業内容です。

平たく言うと“かっちょいい”を作るのが苦手ってことです。

ゼロからのクリエイティブをお願いするとなかなかかっちょいいデータが上がってきません。

何度も繰り返して指示を出して修正してもらってようやく60点って感じです。

これだとやっぱり効率が悪いし、発注する意味も薄い感じです。

だから中国のCG会社に発注する内容は、写真や仕様書を見てその通りに作れば作業が完結するモデリング制作作業が多いのです。

そういう意味でも、これからゲーム業界でアーティストを目指す人はアニメーションやエフェクトやUIデザインが“狙い目”だってことです。

それともう一つ。

中国の企業が大きく有利なのが【人月単価の安さ】です。

日本企業の開発者を1か月稼働されるのに(例えば)85万円かかるのに対して、中国企業の人月単価はそのおよそ半分の35万円~45万円くらいです。

実に日本人の半分くらいの人月単価です。

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中国の方が安くてクオリティが高い

中国のCGクリエイターは、みなさんの“半分のお給料”で働き『コール オブ デューティ』のグラフィックデータを制作しているのです。

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