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ピロリ
2019年8月4日 23:58
時間が経つのは早い。何かをしていても、何もしていなくても、時間はどんどん過ぎるし季節は目まぐるしく回る。ついこの間まで春だったのにもう真夏だし、店頭には秋服が並び、心は冬を求めている。いつか4つの季節なんて全部くっついちゃうんじゃないだろうか。そんなことを考えていたからか、夢の中の僕は半袖に半ズボンで、虫取り網を片手に雪道をずかずかと歩いていた。その頃は出会うことすら知らなかったはずの君の手を引い
2019年8月1日 23:53
花火が上がるよ。もうすぐ。河川敷に向って、たくさんの人が歩いている。屋台が並び、浴衣が躍る。辺りはだんだんと帳を下ろしていく。日が沈み、月が昇れば、爆音とともに夜空に打ちあがる。毎年毎年変わらないこの景色。毎年毎年変わらず同じ花火を見られる退屈がどれだけ特別なことか、理解するときはいつも『今更』だ。部屋まで聞こえる音だけ聞いていようと思ったけど、この先花火を見るたび君のことを思い出すだろうから、
2019年7月9日 23:01
家の近くに大きな川がある。水の上では光が跳ね、風が草花を優しくなでる。芝の上に寝転ぶと、優しい空気が二人を包む。わたしの手をあなたの手に優しく重ね、横顔にやわらかくキスをする。そんな二人の世界を上から太陽が覗き見て、顔を赤らめている。夜には川へと向かう人の川ができる。うちわ片手に、カランコロンと下駄が笑う。流れの中ではぐれないように、ぎゅっと君の手を握る。まもなく打ち上がる花火は君に嫉妬するだ