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初めて話した日《ツインレイ物語⑦》

レラと私が出会ってから1年半後

レラのバンドが私の住む地方で、インストアイベントを行うことになりました。

イベントの内容は、アコースティックライブとサイン会。

バンドのメンバーと特に話したいとも思っていなかったので、サイン会には興味がなかったものの、アコースティックライブが好きな私は、行くことにしました。

これまではバンドライブなので、薄暗いステージで爆音が響く中でしか、レラを見たことがありませんでした。

でも、この日はCDショップの明るい店内でのアコースティックライブ。
このとき私は初めてレラの顔をちゃんと見たのかもしれません。

レラはとても楽しそうに演奏していました。

私はその姿を見て「この人はいつも楽しそうに演奏してるから、よほど音楽が好きなんだろうなぁ」と思っていました。

この日のレラは、私が来ていることが嬉しくて嬉しくて仕方なく、ニヤニヤが止まらなかったそうなのですが。

アコースティックライブが終わってサイン会へと移ります。
しかし、私はバンドメンバーの名前もよくわかっておらず、何を話せばいいのか、とても困っていました。

とりあえずライブの感想を言えばいいよね、と思い、メンバーそれぞれに「アコースティックライブ楽しかったです」と話しながら、サインを書いてもらっていました。

テーブルの端でサイン会の最後にいたのがレラでした。

「アコースティックライブとってもよかったです」と言ったあと、ふと思い出して

「いつも楽しそうに演奏されてますね」

と言うと、レラは

「音楽とっても楽しいです♪」

と、嬉しそうにふにゃんと笑って答えたのです。

私たちが初めて交わした会話は、たったひと言ふた言でしたが、不覚にもその笑顔を「可愛い」と思ってしまったのが、私がレラを意識し始めた最初だったのでしょう。

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