小説:鬼に壊された部屋で
ろくでもないことは起こるべくして起こるものだし、逆も同じだ。僕の家に突然鬼の集団が上がり込んできて、金棒を振り回して壊せるものを全て壊していったのにも、因果がある。
僕は恋人から金を借り、早く返せとせっつかれ続けているクズだ。恋人とは言ったが、向こうはもう僕に愛情など抱いていないだろうし、僕が抱いているのも愛情より不安感の方が強い。そんなどうしようもない僕を許せなくなった恋人が、鬼たちを雇って僕に復讐を命じた……というわけではない。が、回り回って僕の部屋には鬼たちが押し掛