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【特別編】空本健一・今田順「岡本太郎を語る会」

清水綾子と今田雅による音声メディア「ピリオドをはじめるにはどうしたらいいんだろう」の特別編として、岡本太郎愛に溢れる空本健一さんと今田順さんをメインゲストにお迎えした公開収録を行います。当日は、お二人による「岡本太郎トーク」と「タローコレクション」をたっぷりお楽しみください。飛び入りで語りたい方もぜひどうぞ。日没を迎えたころ、きっとあなたの心には、はじまりの太陽が灯されているはず…

空本健一 / KENICHI SORAMOTO
安佐南区祇園山本銀山門前通りの裏通りにあったユーズドセレクトショップRiCKLE!を2019年11月3日に幸せな閉店をさせ、故郷江田島にUターン。2020年11月3日、江田島市沖美町の四郎五郎岬にあった夢来来の地に、江田島ポタジェ&レストラン bricolage17をオープン。長束にあるギャラリーキヲクの空箱と江田島のニ拠点生活をしながら島暮らしの魅力を発信している。

BOOK SELECT
◉今日の芸術

光文社|昭和29年9月10日 四版発行
岡本太郎の最初に書いた本で当時ベストセラーに。岡本太郎を知る入門書として、現在でも新刊の文庫本を購入することができます。

◉日本の伝統
光文社|昭和31年9月発行/初版
法隆寺は焼けて結構、と喝破し、縄文土器のいやったらしい美しさや、尾形光琳、日本庭園、石亭、枯山水、禅などを岡本太郎の独自の視点で論じた本。

◉眼 美しく怒れ
チクマ秀版社|岡本太郎著 岡本敏子編 平成10年初版
岡本太郎の死後、敏子が絶版になってた本を復刻したり、新しく編集したりして出版した数々の本があるうちの一冊。敏子なくしては、今の岡本太郎の功績はない。

◉強く生きる言葉
◉愛する言葉

太郎と敏子の深い愛や、信頼、戦友としての尊敬の念。常に供に行動し、側で一言も漏らすまいと口述筆記をしていた敏子にしか書けない本として。ふたりの言葉の掛け合いが絶妙で最高。

今田順 / JUN IMADA
地域価値共創センターディレクター/ブックキュレーター
1989年東京都の片田舎で生まれる。その後3歳で広島へ、浪人時代までを過ごす。一橋大学社会学部卒業後、東京のカフェ・クルミドコーヒーに勤務。おもにクルミド出版、胡桃堂書店など書籍に纏わることを行う。2020年3月に広島へ戻り、(一社)地域価値共創センターに勤務。まちづくりの支援業務に従事。その傍らブックキュレーターと名乗り、ちいさく「まち×本」の実践と提案を行っている。2022秋、マイブームは梨。

BOOK SELECT
◉沖縄文化論
中央公論新社|昭和34年
日本の伝統とはなにか?パリから帰還し、戦後日本で芸術を立ち上げるための旅で最後に行き着いたのは沖縄だった。そこで太郎が感じた美しいものではあっても、美しいと言わないそう表現してはならないところにこの文化の本質があるという沖縄とは?旅行記であり、今を生きる人にも痛切に突き刺さる芸術論。

◉季刊民族学 165
千里文化財団|平成30年7月発行
岡本太郎のエピソードのひとつに、パリでは芸術家としてではなく、民族学者として太郎を認知していた人も多かったというものがある。贈与論を記したエドワード・モースに師事し、論文もフランス語で何本も書き上げている。そんな民族学者としての太郎をさまざまな角度から探った1冊。

◉黒い太陽と赤いカニ
中央公論新社|椹木野衣 平成15年初版
最初に読んだ太郎論についての1冊。太郎の思想の根幹にある対極主義を太郎の生き様とともに理解できるとともに、現代美術評論家椹木野衣の太郎愛も文章の節々に感じることができる。

◉映画『太陽の塔』劇場パンフレット 
PARCO 平成30年
2018年公開、関根光才監督による長編ドキュメンタリー映画。これを見ると、ようやく時代が太陽の塔、太郎に追いついてきたということを感じざるを得ない。今も太陽の塔が残っていることのありがたさを感じる。

keyword
それぞれの出会い.  いろんなことに太郎につながった.  太郎と百花繚乱のパリ.  絵描きじゃない。しいて言うなら人間だ.  人類学者.  つくるために人類の根源的なところへぶつかっていかなければならない.  対極主義.  自分は何で勝負するんだ?.  日本人って何なんだ?.  人間とは何なんだ?.  パリへの裏切り.  日本の伝統って何なんだろう?.  日本に泥にまみれてやっていくしかない.  縄文土器.  伝統をありがたがっている、それって何なんだ.  痛快な本.  結局伝統は現在の問題である.  日常で感じていた違和感.  いかに装飾された部分でものごとを判断しているか.  生命力と因果律.  現在との完成を考えながら紡いでいく.  「伝統」の意味.  未来からみたときに評価されうるか.  日記っぽい.  自分に突きつける.  多動なおじさん.  これは何なんだ.  狩猟の空間性.  過去のものと戦っていく.  弁証法「正」「反」「合」.  ぶつかり合え.  ぶつかり合ったままでいい.  縄文のなかに日本人のオリジンを見つけた.  分けることは、伝わりやすいけど本質が見えにくい.  未分.  区分を外して見る.  「何だこれは」.  交換の解像度が上がる.  何もなかった.  何もないことの清らかさ美しさ.  瞬間のすさまじさ.  太陽の塔は4次元.  過去から未来を食い破る.  裏と表をなくす.  曼荼羅.  ずっとここに在る.  身体的.  呪術的.  作れるかどうかよりもいいと思うかどうか.  生命的なものがつくれるのか、思えるのか.  自分で考えろ!.  太郎にとっての太郎.  敏子とのユニット. 岡本太郎は2人の1人のユニット名. 形に残すこと残さないこと. 自分に対して対義するもの. 祭の身体性. 再解釈するターン. 別視点から紡ぐこと. 痛切で優しい. 人生は積み減らし. いつか死ぬ日に向かってのカウントダウン. 今を生ききれ.

photo by @odaasamusay

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