どんな人を育てたい つづき2
もう一つ、私が前任校でとてもがんばったのが修学旅行だ。これについては勤務校で紀要に載せていただいたので、ここでは簡単に。
勤務校の高校修学旅行は、長崎をメインとする九州で、テーマは「自然」「平和」「隠れキリシタン」だった(キリスト教の学校)。
例年、生徒たちに課題図書を読ませて感想文を書かせたりすることを事前学習としてきたが、「やらされ感」いっぱいの事前学習を変えたいなと思い、なんとか行き先に対して「行きたい!」という強い思いを持ってワクワクの修学旅行にできないものかと考えたのが「五島を元気にするプロジェクト」だった。
修学旅行で最後に訪れるのが長崎県の五島列島。ここでの学びはずっと「隠れキリシタン」なのだが、それに加えて過疎化が進むこの地を元気にする方法をみんなで考えることにした。
この年から導入されたタブレットで五島について調べた生徒たちは「やばい!海キレイ!」そして、以下のようなさまざまなプロジェクトを提案してくれた。
・漂着ごみを集めるボランティアツアー
・五島うどんと稲庭、讃岐うどんの食べくらべ
・ミステリツアー
・五島でのウェディングプラン
・五島のツバキを使ったシャンプーの広告企画
・五島列島の特産品を盛り込んだPRソング
などなど。
各クラスで発表 → 学年発表 → 現地のホテルで最終発表
学年発表と最終発表では、長崎県と五島市観光協会の東京事務所の方々、現地では観光協会と地元の高校生たちをお招きして講評をいただいた。
付け加えると
このプロジェクトの前に、高校入学時から毎授業初めに新聞記事を紹介し、社会に問題が向くようにし、表に現れた事象はその根にある問題を考えるトレーニングをしてきた。
もちろん、
提案はそこで終わりで、実行することのない空言の提案ではあったが、自分たちがお邪魔する地域について真剣に考え、その土地が忘れられない場所になったと思う。また、自分たちが暮らす都会とは違う暮らしがあることにも気づくきっかけになったと思う。
そして何より、私の中で、次はちゃんと実行し、継続する探究をやりたいという次の目標ができた。国語探究・現代文探究まだまだ続く。