72歳にジャズバーで人生を語られるお正月
大晦日にシフトに入ると貰える3千円前後の手当に釣られて、2024年が終わる2時間前までアルバイトをしていた。
私と同じく、撒かれた餌によって鈎に引っかかってしまったバイト仲間達は「まじだるい」などと愚痴が溢れていたが、それとは相反し私はワクワクとしていた。
大晦日だからと、いつも大雑把にしましていた業務を丁寧に角っこまで。トイレ掃除、消臭スプレーかけすぎて銭湯みたいな匂いになりました!びっくり新発見。
22時にシフトカードを切って、ダッシュで飛び出る。
渋谷で年を越すって、決めたんで!
渋谷のジャズバーで、年を越す事にしてたんですよ。
ジャズバー。
前から気になっていた所。
バーという場所自体行った事無かったけれど、最近ジャズに対しての興味がミリ単位で湧いてきた事、年越しは外で…それも想像が付かない場所で過ごしてみたくなった事諸々の欲が混ざり合った結果、
行こう!
と決心。
「絶対に生演奏聴いてその場にいる人に教えてもらったほうが良い!」
という根拠もない解決法を掲げた正月。補導の心配無しで過ごす最初の年越しとしては良い選択をした気がする。
友人と合流し、目的地になだらかに辿り着く。
重いドアを開けると演奏中だった。
軽やかなアルトサックス、トランペット、クラシックでは見たことも無い激しい動きをするコントラバス、変な棒で叩いているドラム。
なんか全部がおもろかった。
(書くのが面倒になったとかは言えない。けど本当に良かった)
やっぱジャズ、良い音だな〜と思いながらくつろぎ始めていると、横から出てくる泥酔人。話しかけられたので、
「ジャズ1も知らないんすよ」
と言った途端、0からジャズの基本を教えてくれた。
生演奏の音が反響して細かい単語は聞こえなかったけど、裏拍なんだよ、とか、繰り返すんだよ、とか、ジャズ専用の単語を教えてくれた。
一緒に拍を数えたりして楽しかったなぁ。
19だということを伝えたら、人生を解き始める泥酔んちゅ。なんと72歳らしい。元気だなぁ。
人生は無限大らしい。
なんかその様な事を何度も言われた。
好きな事をすれば良いんだよ。失敗すればまたやり直せば良いんだよ。挫折しても生きてたら何とかなってるから大丈夫だよ。
なんか全部聞いたことあるフレーズ。
だけど、何度も何度も言われたから、なんかそんな気がしてきてしまう。ジャズの洗脳魔法だろうか?
…他にも、簡単な歌を歌わせてもらったり、私が好きな曲『Over the rainbow』を演奏してもらったり、隣に座ったカナダ人のおにーちゃんの好きな曲を教えてもらったり。なんか色んな事をさせて頂いた。
書くのが面倒なので詳しくは書かないが、とにかくもう一度ジャズバーを訪れたい事と、人生を説いた泥酔が吹くサックスはバリかっこよかった。
ごちゃごちゃしながら年を越しました。
その後は、
全然怖く無い心霊スポットに行ったり、原宿の近くにある例の大きい神社でお参りしたり、初日の出を凍えながら拝んだり、映画を見に行ったり。
年明けにした事、多いですね。まだまだ動けそうなので、本屋が空いていたら入ろうと企んでいます。大体closedですけど。
2025年。あけまして、おめでとうございます。今年も宜しくお願いしますね。