同じ言葉でも、発するひとによって―カジサックにまた救われた話―
鬱病9年生。
昨年のはじめ、運よくパートの仕事をできたが、やはり鬱病のことを理解してもらうことはできなくて&自分のメンタルが限界に達して、結局迷惑をかけて辞めることに。11か月半続けられただけでも、奇跡だった。
とはいえ。
体力があるうちにまた仕事を探したい、鬱病を抱えてまた仕事をするには?と、ハローワークに行ったが、そのとき勧められた専門支援部門の担当のひとに打ちのめされ、再びダウンした。
ハローワーク以外に何か、、、、、、
と思っていた私。
そういえば、、、、、なんとなくこれどうかな、とハローワークからパンフを持ってきていた『サポステ』という、就職にハードルがあるひとのための支援機関。
ここにようやく通いはじめ、キャリアカウンセラーのSさんと話す中で、自分の本来の姿が見えてきたり、PC(Word、Excel)の練習を始められたりと、いい感じに進んでいる。
”社会に出られるための自分づくり”。
まさに、私が今したいことだった。
しかし。
先日の、Sさんとのカウンセリングで、初めて、私は具合が悪くなってしまった。
今まで、自分をポジティブに捉えられるようになってきていたのに、
「責任感が強すぎる」
「自分の話をするとき、最後に自分を下げるよね」
というようなことを、指摘された。
話の流れ的に、その言葉を私に対しての強い否定だととらえてしまった私は、はじめは理解ができなくてパニックになり、そのうちにカチッと鬱スイッチが入ってしまった。
みるみる元気を失い、Sさんの話している間に、机に突っ伏し、やがて返事をする力もなくなり、、、、、、ふとその自分の状況に気づいたとき、なんだか情けなくて気づいたら涙が出てきて。
苦しくなったので、その日はカウンセリングを終えたのだが、その後何日も、”こういう考え方もネガティブなのかな”、”あ、今また自分を下げてる”、、、、、、と、いった具合に、余計に自分の発言、考え方に対して敏感になってしまって。
次のカウンセリングの日に、Sさんの顔を見られるだろうか。
会ったら何て言われるだろうか。
私が、何か心のスイッチを間違えてひどいことを言ってしまうのではないか。
、、、、、、行けるだろうか。
もし、ハローワークのときのように、サポステにも行くことができなくなったら、この先私はどうやって社会に出ていく方法を考えたらいいのか。
私にもう、未来なんてないのか。
、、、、、、と、いった具合に、考えはもうどんどん堕ちていく一方。
スマホやYouTube、お笑いに依存する時間が増えて、数か月前から始めた色彩の勉強も行き詰ってしまい、うまくいかない。
夕方に現れる鬱症状も、少し辛くなってきた。
そういう感じで過ごしていた中での、昨日。
いつも観ているYouTubeチャンネル『カジサックの部屋』が、豪華なメンバーがそろっての動画を配信してくれた。
ゲストの3人は、YouTuberカジサックことキングコング梶原さんにとってゆかりのある”準レギュラー”。
芸人さん4人が集まっただけで絶対面白いことは確定だし、カジサックとのそれぞれの関係も知っているイチ視聴者としては、配信日のうちに絶対観たい!という動画だった。
みんな視点が違うし、カジサックを抜きにしたゲスト同士の繋がり、エピソードの展開もあり、そしてみんなやっぱり芸人さん。ひとつひとつが面白くなる。
元気が足りない私の心を、笑いで埋めてくれた。
ただ、それだけではなかった。
動画の中で、はっとした部分があったのだ。
フジテレビで放送されていた『はねるのトびら』に出演していたメンバーで、11年半苦楽を共にしてきたインパルス堤下さんと、キングコング梶原さん。先輩・後輩の域を超えるなかよしなふたりだが、そんな深い仲だからこそ、梶原さん(カジサック)が、堤下さんに対して思っていたことを指摘し始めたのだ。
オリエンタルラジオの中田敦彦さん(以下、あっちゃん)が、以前まで飲んでいたお酒を現在控えていることに関して、
「意志が強いんだよ」「痩せてるひとは意志が強い」
と、堤下さんが謎の定義を出して褒め、自分のことを聞かれたときに、
「無いよ意志なんて」
「意志とか無い」
、、、、、、なんて言いはじめ、場は湧いた。
そんなわけないのはみていれば分かる話だが、自分の体形に対しての自虐で盛り上げただけなのかな、と思っていた。
だが、カジサックがそこで堤下さんに言う。
「そうやって、自分を下げるな」と。
カジサックによると、堤下さんはSHOWROOMという媒体で、2年半もの間毎日生配信を行っているという。それは、意志が強いからできることだ、と力説した。カジサックやあっちゃんは、YouTubeで毎日配信を行っていた時期を経ているから、それがどれだけ大変かを分かっている。それを2年半やっているんだからあなたは意志が強い、自信をもてよ、と。
一方の堤下さんは、困ってフリーズしたり、「やることないからな、(当時)仕事なんてなかったから」と言ったりし、認めようとしない。
堤下さんはインパルスの”ツッコミ”。”ボケ”の芸人さんたちを尊敬していて、そのボケを立たせよう、おいしくしようとするひとのようだ。
「ボケるってすごい」「ボケるって勇気ないもん」。
そして、ボケのひとは相方をツッコんだりできるじゃん、と。
でもカジサックは、
「すぐ下げんの、自分を。そこは俺ね、つっつん(堤下さん)に直してほしいのよ。本当はめちゃくちゃアツいのに、ボケのひとを立たせるがために自分を殺すのよ。それがあかん方にいったりすんねんで。」
と、とにかく愛のあるダメ出しをしていた。
「そうやって逃げんなって」
「すぐ嘘つく、自分に」
、、、、、、と、熱弁が止まらないカジサックに、
「長く付き合った恋人かw」
と、ツッコミが入っていた。全員爆笑。
この、一連の流れを見ながら、私は、
(これってもしかして、、、、、、、)
と、あのときのSさんの話を思いだしていた。
この動画の中でカジサックは、
あの日のカウンセラーSさんが私に言った内容とほぼほぼ同じ話を、
堤下さんに話していたのだった。
自分のことを下げて話している自分の姿って、俯瞰で見ることができないし、コントロールすることもなかなかすぐには難しい。
でも、たまたま観たこの動画のおかげで、自分のことを下げて話すひとの姿、それを真剣に、愛を持って指摘するひとの姿、その一連の光景を目の当たりにして、はっ、と自分に置き換えて考えることができた、、、、、、か、どうかは分からない。正直。
でも。
何かが、腑に落ちた。
あの日のSさんの言った”言葉”自体ではなく”内容”に、自然と納得がいって、心のつかえが、不思議と取れていくのを感じた。
数日後に迫った、次のSさんとのカウンセリング。
今まで心が向かなくて、サポステ自体も辞めることになったら、とまで思いが及んでいたところだったのが、
なんか、行けそうだな、、、、、、と。
Sさんとカジサックは、同じことを言っていたはずなのに、どうしてカジサックの話に心が納得したのだろうか。
考えられる理由は、
直接会って会話をする、ということもハードルがある鬱病患者にとって、YouTubeを通して俯瞰で見られたことがよかったこと。
今までの数回の面談で信頼関係を築きつつあったSさんに、あの日は初めて否定的な意見を言われて、ショックを過剰に受けすぎて話が悪いようにしか入ってこなかったこと。
動画内でのカジサックの指摘は、カジサックと堤下さんの間に長い付き合いの中での信頼関係があり、愛情がこもっていたこと。
こんな感じだろうか。
Sさんは、全く悪いひとではない。Sさんと話していると、本当に自分が知らなかった自分が見えてくるし、気づかせてくれる。それが毎回たのしかった。
だからこそ、突然のネガティブな指摘に驚いてしまったし、一度脳内パニックのスイッチが入ると、その後は何を言われても制御が効かなくなってしまう。
ここで、私が悪かった、なんて言ったら”自分を下げるな”になるので、なんとか、次のカウンセリングでは切り替えて話をしたいのだけれど、Sさんは、どうだろうか。
それにしても、”梶原×堤下”のような関係っていいなぁ。
先輩とか後輩とか、年齢とかそういうの関係なく、ちゃんと悪いことを指摘できて、いいところを褒めてもっと自信持ちなよって言えて。
そういう関係のひとが、身近にいれば、カウンセリングなんていらないのかな。
動画を観ていて、本当にうらやましくなった。
ありがとう、カジサック。
おかげで、数日後に控えたカウンセリング、行く勇気が少し、出てきたよ。
すごく怖いけど。
自分の意志で、就労支援のサポステを利用する、前に進むって決めて、私は確かに歩んでる。
まだ、社会には出られていないし、収入はないけれど、ちゃんと進む準備がしたいから、ここに通うんだって決めた。
私は、強烈な意志があるのに、周りの評価とか、周りの目を過剰に気にして抑えてきた人生だった。
変えてゆくよ。
そう、思えるようになった自分を、褒めてあげよう。
すぐには変われなくても、ゆっくりでも、前に進めたら、それでいいよね?
自分のいいところ探しができるようになって、もっと自分をすきになってあげられますように。
※本当に笑えるので、是非見てください。今日、この動画の後編が配信されます。