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【第7回】普段から実践できるインタビューのやり方

取材とは、読んで字のごとく「材」を「取」ること。より良い記事を書くために、情報を集めるのが取材だ。

一方、インタビューは、特定の人に会って話を聞き、情報を得ること。つまり、取材の一手法であり、相手がいてはじめて成立する。

今回は、インタビューの準備や当日の流れ、実際のインタビュー時のコツなどを教えてもらった。


集めるべき素材

記事を書くために、インタビューや取材を通して集めるべき素材は主に5つ。

  1. 取材対象者に聞いたこと

  2. 5W2H(どこで・だれが・いつ・なぜ・なにを・どのように・いくらで)

  3. 具体的な数字

  4. 現場で見たこと

  5. 現場で感じたこと

記事を書くときには、具体的に、誰もが同じことを想像できるようにしておく必要がある。

上記であげた最初の2つは人の話を聞くときの基本中の基本。残りの3つに関しても、取材対象を正確に理解するための大切な要素だ。

例えば、「バラエティに富んだ種類のパンが販売されている」という表現。
「バラエティに富んだ」と言われても、人によって捉え方はさまざま。
200種類あれば多いと感じる人もいれば、50種類でも十分にバラエティ豊かだと感じる人もいる。
量や大きさ、広さを表す時は、具体的な数字を示すことで、読者との認識のズレを防げる。

また、臨場感のある記事を書くために、現場で見たことや感じたことを記事に盛り込むこともオリジナリティにつながる。

例えば、お店に入った瞬間に焼きたてのパンの香ばしい匂いが広がった、とか、店内は古いレンガ造りで重厚な雰囲気がある、といった情報だ。

こうした視覚・嗅覚・触覚といった五感で感じたことも取材中にメモしておくと、読者もその場の空気を感じられる情報を盛り込んだ記事にできる。

インタビューをするための準備

取材内容が決まったら、取材先の選定、依頼書の作成、アポイント調整をしていく。

まず作るのは取材依頼書。

企画内容もさることながら、どういう条件なら取材を受けるかは取材対象者によってさまざま。
どの媒体に掲載されるのか、どのような内容のインタビューになるのかは、取材を受ける側も知りたいポイントだ。

そのため、大手の雑誌でなく、地方のフリーペーパーや認知度の低い媒体であれば、発行部数や媒体のコンセプト、「なぜあなたに取材をお願いするのか」といった点を丁寧に記載することが重要になる。

取材日時を提案するときは、相手の定休日や営業状況を確認し、納期から逆算して決めるとスムーズにいく。

また、取材時の撮影についても、事前にしっかり確認しておく必要がある。

例えば、料理店であれば事前に特定の料理を準備してもらう必要があるか、人物写真も撮るのか、どのようなビジュアルが必要かなどを明確にしておけば、取材対象者も準備しやすい。

特に、季節商品や期間限定のものを取材する場合、シーズン前の取材では準備が間に合わず撮影ができないこともある。

事前の打ち合わせをしっかり行い、必要な撮影素材を確保できるよう調整しておこう。

アポ入れとインタビュー前の準備

依頼書を作成したら、次は取材対象者にアポイントを取る。
相手に迷惑にならない時間帯を調べたうえで電話をするか、メールフォームがあれば事前にメールで連絡を入れるとスムーズに進められる。

インタビュー前には、調べればわかる情報は事前に収集し、自分が本当に聞きたいことを整理して、質問リストを作成しておこう。

質問リストの数は、最終的に何文字の記事になるかによってどのくらいの質問数にするかを決められれば良いが、わからなければできるだけ多く準備をしておくこと。

講師の江角さんは、200字程度の記事なら10個くらいの質問を準備するそう。
その中で、「これを聞かないと記事が書けない」質問を確実に押さえつつ、時間によって省略できるものを決めておくとよいそうだ。

インタビュー当日の流れ

アポイントが取れたら、いよいよ当日。インタビューを成功させるためのポイントも教えてもらった。

  1. 目的の再共有
    取材対象者が忙しく、企画書を読んでいない可能性もあるため、改めて説明をし、インタビューの目的を明確にすることで、両者の認識違いをなくしておく。

  2. インタビューの流れの説明
    江角さんは、インタビューする際、基本的には先に話を聞いてから撮影するという。
    撮影を後にまわすと、話を聞いた上で必要なカットを絞りやすくなるからだ。
    お互いにスムーズにインタビューが進むように、段取りを共有しておくことも大切。

  3. インタビュー
    質問はざっくりせず、細かく具体的に。
    わからない単語や言葉が出てきたら、自分が恥をかくことを恐れず、その場で聞くことも徹底すること。
    インタビュアーの役割は、読者に正しい情報を伝えることだということを忘れずに。

こんな時どうする?

インタビューは相手がいて成り立つもの。
準備するに越したことはないが、当日、トラブルは起こりうるもの。
よくある困った時の解決方法も教えてくれた。

相手が話してくれないとき
相手がなかなか話をしてくれないときは、質問の角度を変えるのも効果的。

「このパンの特徴はなんですか?」という質問に答えにくいようなら、「国産小麦を使っている理由はなんですか?」というふうに質問の切り口をすこし具体的に変えることで、答えやすくなる可能性がある。
質問の切り口は5W2Hを使うといいそうだ。

次の質問が出てこないとき
インタビューの時間は、その場を自分だけで回そうと思わなくていい。
相手がいてこその取材がインタビューなのだから、焦らず沈黙してみると、相手が話し出してくれることもある。

それでも出ないときは、準備した質問リストのなかで、聞き逃したことはないかを確認してみるのもいい。

相手の機嫌が悪いとき
インタビュアーの役割は、いかに記事を書くための材料を相手から聞き出せるかにかかっている。

相手が不機嫌だからといって、聞くのを諦めるわけにはいかない。
相手の感情に流されず、淡々とすべき取材を行うのが大事。

気づかないふりをして淡々と対応していると、相手のほうはその不機嫌な感情を恥ずかしいと思い始めて機嫌を直してくれることが多い、と江角さんは言っていた。

インタビューは毎日のコミュニケーションで鍛えられる

今回はインタビューのやり方を一通り学んだが、インタビュー相手とうまくコミュニケーションをとっていろんな話を聞き出すのは、普段の会話でも実践できる。

講座のワークでは毎回、「話聞くの楽しいな〜!」と思うので、インタビューを楽しく実践するために、今回教えてもらった内容を、普段からも取り入れていきたいと思う。

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Yuka Shogaki
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