CHANCE|犬飼ターボ
若くして経営者になるが事業がうまくいかず、今後の身の振り方に悩む主人公がホテルの駐車場でフェラーリに乗る敏腕経営者と出会い、その人に師事されながら経営者やお金持ちへの成り方を学ぶ内容。
小説仕立てで読みやすい。
読んでまず思ったのは中村信仁の「営業の魔法」「仕事の魔法」みたいな構成だな、ということ。
「営業の魔法」と「仕事の魔法」はその名の通り営業と仕事を効率よく行うためのtipsやできる人になるための考え方を、悩みがある弟子が師匠に段階的に教わる内容である。「CHANCE」も同じような構成で、お金持ちや出来る経営者の考え方を師匠が弟子に教えている。「ーの魔法」シリーズと違うところは、主人公が最初に教わった師匠以外にも複数のサブ師匠を持っているところだろうか。
このような構成はessenceだけを掴もうと流し読みしている私のような読者にとって、主人公の擬似体験をしながら学べるので記憶に残りやすくとても良い。
また、悩める青年が高級車に乗る成功者に突然師事を仰ぐ、という話は小池浩の「借金2000万を抱えた僕にドSの宇宙さんが教えてくれた超うまく行く口ぐせ」にも主人公が見た映画として出てきていた。実家に車がないのでこれまで意識をしたことがなかったが、高級車は成功者の証なのだろう。
その本では映画のタイトルを明示していなかったが、多分以下の映画だと思う。
上記のように、「CHANCE」は構成や導入が他の本と似ていて馴染みがあったことからか障壁なく読めた。
この本でも別の本でも共通して言っていることだが、お金持ちなど何か自分のなりたいものがある場合には、まずそのマインドを身につけることが大事なようだ。その道の成功者複数人から話を聞き、彼らに共通したものを見つけ自分との差を理解する。
そしてあとはひたすらにチャレンジして失敗をする。これも複数の成功を語る本に共通して書いてあることだった。たとえ師事を仰いでも面倒だとそれをチャレンジしない人は成功を掴むことはできない。そう言えばスティーブ・ソレイシィの英会話取得方法を解説する本でも、厚切りジェイソンの「ジェイソン流お金の増やし方」でも、著者が勧める方法をとりあえず実行した人は成功するが、なんだかんだ面倒と理由をつけて実行しない人は何も変わらないしそのような人が殆どと言っていた。
とりあえず実行する。はどの分野においても共通した成功条件なのだろう。研究においても、なんとなく面倒で後回しにしているがその道のプロに何度も指摘される検証をすぐに行える人はいい研究者になれるのだろうか。
「CHANCE」は成功の法則がわかりやすい上にページ数も少なくKindleでは無料なので、経営者の追体験をするには接しやすくいいい本でした。