イケナイコトカイ#13学校カウンセラーと決別
中1の3学期から不登校になったままのK太。
2年に上がる時、担任もクラスも変わる。
それをきっかけに心機一転行く気になるのではとの期待はあっさり裏切られる。
今度の担任は40代後半の女性教師だった。
家庭科担当で人あたりの良さそうな雰囲気の人だ。
ベテランだが担任を持つのは初めてだそうだ。
学習障害がある事や現在学校カウンセラーと面談している事、メンタルクリニックに通いコンサータを飲んでいる事など伝えてた。
学生証の写真が必要なのでと自宅まで取りに来てくれた。
その時はK太を呼んで先生に挨拶だけしようと顔合わせをした。
それから多分2週間に1回ぐらいは家まで来てくれた。
K太は滅多に顔を出すことはなく、私から普段の様子を話したりしたように思う。
純粋に心配してくれていたのだとは思うが有効なアイデアなどは持ち合わせていなかった。
穿った見方をすると教師としての義務感がチラついているように感じた。
今となっては申し訳ないが話した内容で心に残る事がほとんど無いのだ。
その後、何度か薬をもらいにメンタルクリニックに通った。
その日、診察に来ていた30前後の男性の患者さんと遭遇した。
ここはこども専用のクリニックなのに?
と言うことはこの人は子供と言われる年齢の頃からここに通ってるんだろう。
大変失礼だがその男性の表情には精気が感じられない。
受付で薬の処方箋を受け取っていた。
どのくらいの間、薬を飲み続けているのだろう。
その時、”K太に薬を飲ませたくない!”と言う強い思いが湧いてきた。
薬が全部悪いとは思わない。
強い鬱症状などあれば服用しないと危ないのだろう。
けれどK太は学校に行かないだけで自殺衝動は無い。
仮に薬を服用して精神的に持ち上げて学校に行けたとしてそれが本人にとって良い事なんだろうか?
本人が薬を飲んででも学校に行けるようになりたいと言うなら話しは別だ。
家に帰ってK太と話し合う。
薬を飲み初めて変化があったか?
このままクリニックに通い薬を飲み続けるか?
K太の答えは
薬を飲んでも学校行きたいと思うようにならない。
だった。
じゃあ、もうやめようかと話しは終わった。
夫に連絡して私とK太の気持ちを伝える。
そして次の学校カウンセラーとの面談の日に自分の考えを告げる。
彼女はいつものように学校、勉強、進学の必要性を説いていた。
私は違う方法を探したいと告げた。
もうこの人と話しても平行線を辿るだけだろう。
心の支えになる場所が少しても欲しくて通っていたのに。
四角四面の正論は逆に不安やストレスを感じるだけ。
これで最後にしよう決意し、クリニックも学校のカウンセリングも辞めた。