食品ロスは消費者の問題ではない
食品ロスは消費者の問題ではない
食品ロスの問題は消費者に投げかけられているが、
これはそもそも消費者の問題ではない。
例えばコンビニやスーパーの過剰在庫は
欠品が出ないようにするために大量に作るからだ。
結果、売れ残りが「食品ロス」となる。
これは店舗のマネージャーの腕だ。
天気が良くて桜の季節なら弁当が売れるだろうと
たくさん出す。
雨が降りそうなら少なく注文する。
近くの会館で催事があれば
たくさん出し、休館なら少なくする。
次は食品衛生法の問題だ。
厚生労働省と農林水産省は
「食品期限表示の設定のためのガイドライン」という通知を出し、
消費期限・賞味期限の設定についてのルールを示している。
これによれば流通時の保存温度帯は、
常温(15℃~35℃)、冷蔵(10℃以下)、チルド(5℃以下)、冷凍(マイナス18℃以下)となっていて流通時の保存温度帯の上限温度(常温35℃、冷蔵10℃、冷凍マイナス18℃)で試作品を保管し、一定期間ごとの試作品の食味や見た目の官能試験及び微生物・理化学検査を行う。
さらに、その最大日持ち期間(食味や見た目の官能試験及び微生物・理化学検査で問題のない最大の期間)に安全係数(おおむね0.8)を掛けたものが流通させるときの消費期限・賞味期限となる。
例えば、試作品の最大日持ち期間が10日のものがあり、そこに安全係数の0.8を掛けた8日が消費期限となる。
こうした消費期限・賞味期限の設定のために行う科学的な検査を「消費(賞味)期限設定試験」という。
しかしそもそも素材も違い、詰め方も違い、仕入れも違うそれぞれの食品を
一律に決めること自体が、理に適っていない。
一定の基準は認めよう、しかし、現物を見れば腐っているか、どうか判断はできる。
むしろ、臭気測定器の方が正確に判断ができる。
賞味期限が切れたからと言ってすぐに食べられなくなるわけではない。
このグレーゾーンをどうするかというのは消費者の問題ではない。
企業と法律の問題だ。
昔は家庭で出る生ごみはコンポストに入れて肥料として
再利用した。
家庭用生ごみ処理機には半分くらい補助金が出る自治体も
あるがコンポストには補助金はない。
それを「私たちにできることは〇〇」と
消費者に投げかけるのは話が違う。
誰だって製造年月日が新しいのを買いたいに決まっている。
「商品先出しの物から買おう」なんて口先だけだ。
コンポストも補助金の対象に入れ、 食品衛生法を変え、流通形態を変えることが先決だ。
こういうのを「責任転嫁」という。
SDGsにかこつけて、消費者に責任を押し付けているだけだ。
再度言う。
「食品ロスの問題」は消費者の問題ではない。