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読書記録25-02|恋とか愛とかやさしさなら
📕恋とか愛とかやさしさなら
👤一穂ミチ
🏢小学館
プロポーズされた翌日、恋人が盗撮で捕まったら?
🔖全体を通して感じたこと
小説に学びを求めるのはお門違い。(そりゃそう)
自己啓発本ばかり読み漁っているから、
この本を読み終えた後、「…で?」となってしまったよ🔰
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ただ、読んでいた時間が無だったかというと
決してそんなことはなくて、感情に動きがあった。
まるで、自分がその世界線にいるような感覚で
本を読み進めていたような気がする。
著者の表現がすっっっごいリアルだった。(語彙力)
これが小説の良さかぁ。
ちなみに、読んでいるときの主な感情は
『超胸くそ悪い!!!!!』だった…^_^
🔖印象に残った部分
性加害者のための自助サークルを勧めるシーン。
行ってみたらどうかなと思って。試しに、一度だけでも(新夏)
ー行かなきゃ新夏に許してもらえないんなら、行くよ。なんでもするって言ったもんな(啓久)
全然違う、違いすぎて身体中掻きむしりたくなる感覚。
自分が悩んだのと同じ時間、啓久にも葛藤してほしかった。明確な答えが出ないとわかっている自問を、何百回、何千回でもくり返してほしかった。
分かる。
もうやらないっていう理由なら明確に言えるよ、コスパが悪いから(啓久)
だめ、ノックアウト。
この期に及んで、盗撮によって自分に降りかかった不利益のことを考える啓久。
そして、それを新夏に伝えてしまうほどに欠落した想像力。
この本、休み休み読まないと本当に体調悪くなりそうなほど
リアルでグロテスクだったように思う。
あなたの眼差しで世界を見られたら、そしてわたしの眼差しで見てもらえたら、こんなに言葉を費やさなくて済むのに。
痛いほど共感した新夏の心の中。
相手の行動原理を理解したいという気持ち。
つい、普段の自分に重ねてしまったな。
新夏の友人のように、
「理解なんてできないんだから」と割り切れたらどれだけ楽なんだろうと思うし、
はたから見ていたらそれはすごく単純なこと。
だけど、渦中にいるとそれが難しく感じる。
関係を続けたいと思うとなおさら、ね。
🔖私を撮ったアイツ、元気してるかな?
この本を読んで思い出した。
大学生のとき、バイト先で着替えているところを盗撮された。
盗撮犯は一つ上のフリーター男。
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個室トイレのように吹き抜けになっている脱衣コーナーの中で
目の前にある全身鏡を見ると頭上からiPhoneのカメラがこちらに向けられていた。
「な、なんでそこにiPhoneがあるんですか?笑」
「あ〜これ?カメラ割れてるの、見てほしくて…」
怖くてたまらなくて、冗談っぽく誤魔化してしまった上に、
筋の通っていない理由を飲み込んでしまうほど、
当時の自分は弱かった。(筋の通った理由なんて存在しないけれど)
その後、勇気を振り絞って、
店長(男)に起こったことを伝えた。
それなのに、少し盗撮犯と話しただけで、
「写真も消したし、反省してるから、大事にはしないでね」
と言われた。
(え、てか、何。お前も見たの?)
その日の帰り、車に乗った瞬間、声を出して号泣した。
悔しさ?怒り?悲しさ?
判別不可能な感情が込み上げてきて。
当時、何も行動に起こせなかったけれど、今なら。
と思ってしまうな〜。
今、アイツ(と店長)を罰せられるならば、迷いなく去勢を選ぶ。