ざらざら
ざらざらは
そのむかし さらさらだった
つるつるで すべすべで
指先はいつも きもちよかった
むしたちも するするり
ちょっと滑っては 飛んでいった
でも 風は吹いた
また 波は立った
けど 砂は舞った
また 日は照った
そういえば むしたちよ
どうしてる このごろは
さらさらは
鏡を見たり
友に聞いたり
晴れた日には忘れたり
でも 雨は降った
ああ 道は反った
けど 夢は食った
また 花は散った
さらさらは
目をつぶって
かたくつぶって
つぶれるまでつぶって
勇気のある日に触ってみた
さらさらは さらさらだった
指先になにかがひっかかっても
映った影に凸凹があっても
詩:ナガオクミ
copyright©hanapira records