映画「タイタニック」から学んだ、「うつ」との向き合い方
前置き(私について)
私は「うつ」になってから、よく映画を観るようになった。
「うつ」になってから、「社会のレール」から完全に外れた。まるで世界のはしっこで生きる、「世界の脇役」の気分になってしまった。
さきほど、映画をよく観るとお話ししたが、今までとは違う「楽しみ」を見つけるようになった。
最近は、映画の「脇役」に注目するようになった。
主役じゃない、「脇役」の視点から映画を観ることで、今まで見えなかった登場人物の背景と、それぞれの気持ちが感じられるのが面白いと感じた。
さて、前置きが長くなりました。
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ここからが本題
きのう、久しぶりに映画「タイタニック」を観た。たぶん、今までの人生のなかで、確実に10回以上は観ているはず。
しかし、「うつ」になってから、いままでなんとも思わなかった「あるシーン」が、「いまの私」にとって、かなりはっとさせられる出来事になった。
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その「あるシーン」とは
それは、映画「タイタニック」の旅のはじまりのところである。
レオナルド・ディカプリオが演じる「ジャック」が、煙草を吸いながらポーカーをしているシーンだ。
あらすじは、みんなもよく知っていると思うが、簡単に復習しよう。
ジャックのポーカーの相手は、「スヴェン」と「オラフ」いう二人の男性だった。
彼らは「タイタニック号のチケット」までをも、ポーカーに賭けていた。
ポーカーの結果、ジャックが勝った。
ポーカーで勝ったことで、ジャックは豪華客船「タイタニック号」のチケットを手に入れた。
ジャックは一緒にポーカーに参加していた友人のファブリッツィオと一緒に、急いで「タイタニック号」へ乗船していく。私が一番好きなシーンです。
あのシーンを思い出すと、脳内でバグパイプのこころ踊る音が聞こえて、高揚感が沸き上がってくるのは私だけじゃないはず。
さあ、そのあとの映画「タイタニック」のストーリーは、みんなご存じのとおり。
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「タイタニック号」に乗れなかった男たち
ここまで説明したけれど、今回、注目したいのは、ジャックではない。
注目してほしいのは、ジャックにポーカーで負けた、あの「スヴェン」と「オラフ」である。
もともとは、「スヴェン」が、三等客室のチケットを持っており、スヴェンは仲間たちと一緒にタイタニック号に乗って、同じ部屋に泊まる予定だった。
しかし、スヴェンとオラフは、ポーカーで負けてしまったので、豪華客船「タイタニック」に乗ることはできなかった。
残念ながら。
しかし、
彼らは「本当に残念だった」のだろうか?
はたして、「スヴェン」と「オラフ」がポーカーに負けたことでタイタニック号に乗れなかったことが、「残念だったかどうか」は、最後まで映画を観れば分かることである。
そして、映画「タイタニック」を最後までご覧になったことがある人たちは、口を揃えてきっとこう言うだろう。
「スヴェンとオラフは、タイタニックに乗れなかったが、ぜんぜん残念なことではない。」
「むしろ、ポーカーに負けてよかったと思う。」
と。
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私が伝えたいこと
映画「タイタニック」の前置きは、ここまで。
今回、「タイタニック」をあらためて見返して、「うつ」の経験を通して学んだことで、私なりにみんな伝えたいと思ったのは、この3つ。
・勝つことが、常に最善ではない
・短期的に見て、物事に一喜一憂しなくていい
・物事は、長期的な目で見ていけばいい
たしかに、映画「タイタニック」で、豪華客船のタイタニック号に乗ることができなかった「スヴェン」と「オラフ」は、一見すると「残念な結果」に見える。
しかし、彼らはタイタニック号に乗れなかったことで、怖い思いをしなくて済んだ。
そればかりか、「スヴェン」と「オラフ」はポーカーで負けたことで、タイタニック号に乗らずに済み、「命の安全」を手に入れた。
つまり、彼らは「負けた」ことで、「命拾い」したのである。
一見すると、良くない出来事も、長期的に見たら最善だった。
そういうことが、あるのかもしれない。
「今は、分からなくても。」
おわりに
いま、私はうつで苦しいこともたくさんある。
現在、「最悪」って思うことたくさんある。
「短期的」に見て、そう思うのは仕方がない。
「今、分からなくても」、長期的に見たら、もしかしたら「よかった」と思える時期が来るのかもしれない。でも、今は分からないけど。
世の中、上手くいってそうに見える人がいても、そうじゃないかもしれない。
人って、「人の分かりやすい見た目」や「表面的」な部分で、物事の良し悪しを判断しがちだと思う。私もそうかもしれない。
あと、「うつ」が「表面的」なことは、なんとなく分かっている。
「本質」は、「長期的に、私が幸せの道に歩むことの大切さ」を示唆していると知っている。
今までは、「短期的な成功」ばかり求めていた。
だから、毎回、燃え尽き症候群だった。
ついには、動けなくなってしまった。
現在、「うつ」だったとしても、それが悪いことじゃない。本当は、「うつ」が自分を守ってくれているのかもしれない。
最悪な出来事が、実は自分を守ってくれている。
そういったことも、実は本当にあるんじゃないかなと、「タイタニック」を観たあとで、ふと思いました。
サムネイルについて:
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