青空サイクリング：神社巡りで見つけた小さな発見
澄み渡る空の贈り物
三連休の最終日、まるで天が私を招くかのように、澄み切った青空が広がっていた。その絶好の天気に誘われるように、私は再び近隣の神社へと足を向けることにした。心地よい風が頬をなでる中、アシスト自転車に跨った。
理想の距離感
往復20キロメートルほどの道のり。この距離感が、アシスト自転車でのサイクリングには丁度良い。かつて100キロメートルほど走破したこともあるが、さすがにそれは酷な距離だった。ロードバイクの愛好家たちは軽々と100キロメートル以上を走破するというが、この自転車ではそれは無理な相談である。それでも、この程よい距離が、適度な運動と心地よい冒険を約束してくれる。
デジタルマップが描く冒険の序章
まずはPCに向かいGoogle マップを開く。神社を検索し、未踏の社を見つけ出す。画面をクリックすると、その神社の写真と詳細が浮かび上がる。ストリートビューで周辺の景色を疑似体験し、経路をクリック。距離と所要時間が表示される。
現代の魔法使い
休憩用のコンビニエンスストアか公園を経由地として追加し、ルートをスマートフォンへと送信する。指先一つで、未知の土地への道筋が浮かび上がる。現代の便利さを実感する瞬間だ。かつての旅人たちが、このような便利さを想像しただろうか。彼らの冒険心と、現代のテクノロジーが融合した今、新たな形の探検が始まろうとしている。
朝の空気を切り裂いて
自転車のホルダーにiPhoneを取り付け、ナビを起動する。無事故無違反を心に誓い、ペダルを踏み出す。朝の澄んだ空気が肺に流れ込む。体が徐々に温まり、心地よい疲労感が全身を包み始める。
予期せぬ誘惑
20分ほど走ると、ショッピングモールが視界に入ってきた。寄り道をすることにする。汗ばんだ体を冷気で冷やしながら、「あぁ、生き返る」とつぶやく。今は買い物をする余裕はないが、ウィンドウショッピングを楽しむ。人々の賑わいを眺めながら、自分の小さな冒険に思いを馳せる。
のどかな風景の中を
そして再び自転車に乗り、出発。住宅街を抜け、のどかな田舎町を通り抜ける。田んぼや畑が広がり、遠くには山々の稜線が見える。30分ほど走ると、コンビニエンスストアが見えてきた。ここで休憩を取ることにする。
豆の香りに包まれて
トイレを済ませ、豆を挽くタイプのアイスコーヒーを注文する。豆が挽かれる音と香りが、疲れた体を癒してくれる。できあがったコーヒーを手に、イートインスペースへと向かう。これは私のいつものパターンだ。
窓辺の思索者
のんびりと外の風景を眺めながら、ブログのアイデアを練る。行き交う人々、空を流れる雲、そよ風に揺れる木々。何気ない日常の風景が、新たな発想を呼び起こす。コーヒーの苦みと甘みが、思考をより鮮明にしてくれる。
ナビとの小さな戦い
休憩を終え、再び出発。ここからは目的地まで一気に進む。ナビは効率の良い道を選んでくれるが、それはしばしば味気ない道でもある。おそらく時間効率を重視しているのだろう。しかし、私にとっては効率より美しい風景の方が大切だ。
心の声に従って
少々時間がかかっても、気分良く走りたい。そこで今回もコースを外れ、川沿いの道を選ぶ。ナビの指示を無視することに、ほんの少しの後ろめたさを感じながらも、心は軽やかだ。時に道を外れることで、思わぬ発見があるものだ。
大地と水の調和
この隣町にも一級河川が流れており、その川に沿って道が続いている。メインロードから外れているため、交通量も少ない。川幅も広く、見晴らしが良い。水面に反射する陽光が、きらきらと目に映える。
五感で味わう自然
空を見上げ、川を眺め、風を感じながら走る。鳥のさえずり、虫の音、川のせせらぎが耳に入ってくる。時折、野花の香りが鼻をくすぐる。この上ない気分だ。自転車で走ることで、車では味わえない自然との一体感を感じられる。
迷路のような町中
やがて町中に入り、入り組んだ道をナビ通りに進む。狭い坂道を登りきると、ようやく目的地に到着した。予想以上にしっかりとした造りの神社だ。鳥居をくぐり、社号標を見ると「稲荷神社」と書かれている。
常識を覆す発見
ここは稲荷神社だったのかと、今さらながら気づく。私は稲荷神社といえば、頭に地名が付いて「〇〇稲荷」というのが一般的だと思っていたが、正式名称が単に「稲荷神社」であることを知った。調べてみると、このような名称の稲荷神社も少なくないらしい。小さな発見が、旅の価値をさらに高めてくれる。
驚きの金色
青空の下、気分の良い稲荷神社でお参りを済ませる。ふと隣を見ると、金色に輝く鳥居が目に入った。「き・き・金色の鳥居？」思わず二度見してしまう。太陽の光を受けて、まるで宝物のように輝いている。
学問の神との邂逅
珍しいと思い近づいてみると、そこには菅原神社が摂末社として祀られていた。菅原神社には、学問成就・合格祈願、文芸上達、厄除け、商売繁盛、出世・昇進などのご利益があるという。早速お賽銭を投げ入れ、お参りをする。思わぬ出会いに、旅の醍醐味を感じる。
夕暮れの買い物
少し周囲を散策した後、帰路に就く。ナビにイオンを入力し、そこへ向けてペダルを踏み出す。独り身の夕食の買い出しを済ませ、家路につく。夕暮れ時の空が、美しいグラデーションを見せている。
心に刻まれる一日
「うん、今日も充実した一日だったな」と、心地よい疲労感とともに振り返る。実りある時間が、穏やかに終幕を迎えようとしていた。自転車での小さな冒険は、日常に新鮮な息吹を吹き込み、心に豊かな彩りを与えてくれる。明日への意欲が静かに膨らむのを感じながら、私は家路を急ぐのだった。
いいなと思ったら応援しよう！
