日本の夏の風物詩「ところてん」の作り方
日本の夏の風物詩として親しまれている「ところてん」。
その歴史は江戸時代にまで遡り、暑さを和らげる涼やかな食べ物として古くから食卓を彩ってきました。
主に天草(てんぐさ)から作られるところてんは、地域ごとに酢醤油や黒蜜をかける食べ方が異なり、さまざまな風味を楽しめます。
私が幼かった頃は、夏になると木製の「ところ天突き」で棒状のところてんを突き出し、それに黒蜜をかけて食べていました。
あの透明で美しい糸状のところてんに黒蜜がよく絡んで濃厚で滑らかな味は、今でも私の心に残る夏の味です。
メルカリで木製の「ところ天突き」を見かけたとき、幼少期の思い出が一気に蘇り、思わず購入を考えた。と言う話を実家に帰った際に母にしたところ「あるよ?」とキッチンの棚からまさにあの「ところ天突き」がスーパーのビニール袋に包まれて出てきました。
あの懐かしの器具がまだ手元にあることに感激しましたが、問題は棒状のところてんが手に入らないこと。でしたが、なんと私が子どもの頃に食べていたところてんは、母の手作りだったと判明。
和歌山に住んでいた叔母が、近所の海岸で拾ってきた天草を袋いっぱい送ってくれ、それを母が庭で水にさらして干した後、鍋で煮出してところてんを作っていたそうです。
冷蔵庫には、夏になると涼しげに揺れるところてんがタッパーにいっぱいに詰まっていた光景を思い出します。
この夏、私はその味を再現しようと、メルカリで材料となる天草を購入しました。
【伊豆下田産 天草 30g×3個】
を手に入れ、母のレシピをもとにところてん作りに挑戦。
作り方は実にシンプル
①天草を水で丁寧に洗う
②水(2.5L)を沸騰させ、酢(大さじ1/2)と天草をふつふつと40分ほど煮込む
③網にこし布をかけ、②をこす
④タッパーなどに入れあら熱が取れたら冷蔵庫で4時間ほど冷やし固める
⑤最後にところ天突きで美しい糸状に仕上げ、黒蜜をかけたら完成
ところてんを箸一本で食べるという文化もあるそうですが、普通に2本でいざ実食
そうこの味!あの幼い日の夏の味が再現できました。ツルツルと喉越し良く、黒蜜の濃厚な味わいがところてんの水分でマイルドになり、汁まで美味しくいただきました。
このプロセスは、確かに暑い台所での作業となり大変ですが、手間をかける価値があります。
昔ながらの作り方でできたところてんは、市販品とは異なる独特の風味と食感があり、夏の暑さを和らげる一品として格別です。
皆さんも、この夏、ところてんを手作りを体験してみてはいかがでしょうか。
天草を30gづつ小分けにしてくれていて、レシピもついてきます