「イカ墨カレー」はどこのご当地グルメか?
ご飯に真っ黒でドロドロしたものが
かかっている写真の一皿。。
これが一体何かといえば、タイトルにある通り。
先般、鳥取土産に頂戴した
「イカ墨カレー」である。
真っ黒けで、どんな具が入っているか、
写真からだと全く分からない。
間違いなくイカは入っていた。
イカ墨の濃厚なコクがあり、
潮の香りも程よく、ペロリと美味しく
平らげた。
このイカ墨カレー、鳥取のご当地グルメだと
いうのをこの度初めて知った。
鳥取の次に、函館の名前もある。
このサイトによれば、ご当地カレーとして
供しているのは、主にこの2か所らしい。
とはいえ、日本全国どこでもイカは
獲れるはずで、必ずしも鳥取や北海道だけで
供されているはずはない。
令和2年の漁業統計によれば、
イカの漁獲高は
鳥取県:9位(1,800トン)
北海道:2位(10,900トン)
となっている。
鳥取は比較的上位にある都道府県だが、
1位の青森県(17,800トン)や
3位の長崎県(6,600トン)と比べると、
相当見劣りするのも事実。
知名度的にも、鳥取に利は感じられない。
イカと聞いて真っ先に思い出すのは、
「呼子(よぶこ)」ではなかろうか。
「呼子のイカ」の知名度は全国区。
ただ、呼子のある佐賀県は、思いの外
イカの漁獲量が少なく、ランキングで
25位(400トン)という状況だった。
イカ墨カレーは、実際、鳥取と北海道
以外でも作られ、売られている。
漁獲高の多い青森の津軽海峡沿いの町や、
同じく漁獲高の多い長崎は壱岐のもの、
呼子のイカを使っているらしい福岡の老舗、
などなど探すと色々出て来る。
たまたま最初にアクセスした
「日本の食べ物用語辞典」
という、本文冒頭で紹介したサイトでは、
鳥取のご当地グルメという紹介が
なされていた。
「JAPAN WEB MAGAZINE」という
サイトでも、「日本のB級グルメ」
紹介ページに紹介されている。
しかし、あのぐるなびがやっている
「ぐるたび」では、鳥取名物として
イカ墨ではない普通のカレーが
紹介されているのみ。
B-1グランプリに出ていたなんて
ことはないかと調べてもみたが、
残念ながら形跡は見当たらず。
こうやって色々と調べていくと、
やはり鳥取の「元祖」としての
ポジションは、極めて弱いことが
分かる。
このような状況なので、
今から「元祖」を名乗るのは無理にせよ、
「日本一のイカ墨カレー」を目指そうと
思ったら、いくらでもやりようがあると
感じた次第。
「イカ墨カレーといえば〇〇」
という認識を、多数の消費者に浸透
させる。
すなわち、確固たるポジショニングを
獲得する。
そのポテンシャルを秘めた自治体が、
知恵のひねりようで一気に知名度を
獲得し、鳥取を凌駕できるはず。
誰もが納得する絶品の味のイカ墨カレーを
作れることが大前提となるが、
そこにいかに納得感の高いストーリーを
付加できるか。
なぜそこのイカがカレーに合うか。
他地域のイカ墨との間にどんな違いがあるか。
ルーを、他地域でマネできない秘密の
レシピ化できるか。
そして、それを効果的に世の中に知らしめる
PR戦略を立案、実行できるか。
「元祖」のストーリーを作りやすい鳥取県
自体を含め、興味を持ちそうな自治体に
自主的にプレゼンを仕掛けてみたら、
意外といい線行けるのかもなぁ、、、
などと妄想した土曜日の午後だった。