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地名でセレブ感を演出する

先日、オフサイトミーティングを
白金台のとある場所で実施した。
会社が目黒にあるため、徒歩でも
行ける距離だ。
そんな近場であっても、あえて
オフィスを離れることで、日常の
業務に煩わされず、発想を豊かに
ぶつけ合うことを意図して、あえて
外に出たのだった。

そのオフサイトの行き帰りに、
「黒毛和牛 腰塚」という名前の
焼肉店を通ったのだが、店名の
後ろに「東京 自由が丘」とある。
ほー、自由が丘に本店のある焼肉店
なのね、珍しいな、そんな印象を
持った。

自由が丘というと、カフェとか、
スイーツとか、オシャレな感じの
イメージで、ちょっと焼肉店とは
そぐわない気がする。
まぁ、ナボナや和菓子で有名な
亀屋万年堂も自由が丘であり、
「和風」でも問題ないと言えば
問題ないのかもしれない。

いずれにせよ、自由が丘という街の
ハイソなイメージを店名に付けて
おくことで、
「我が焼肉店は高級である」
「セレブ御用達なのである」
とでも言わんばかりの印象を、
受け手に与えていると言ってよい
だろう。

今日のランチタイムに、たまたま
目黒駅の近辺を歩いていたら、
この「腰塚」の名前が突如として
目に飛び込んできた。
よく通る道沿い、しかも何度も
見たことのあるお店の名前が、
腰塚の目黒店であることを認識
した瞬間であった。

白金台で「ハイソな焼肉屋」という
アンテナが立っていたからこそ、
今までは風景に溶け込んでいて
全く興味の対象に浮上することの
なかった「腰塚」が、風景から
飛び出して来て私の脳内に認知の
矢を突き刺したのである。

よく見ると、この目黒店にも
「自由が丘」の地名は刻まれて
いた。
しかし、これまで何十回と通った
際には全く気付かなかった、
あるいは受け流していたことに
驚く。

地名がモノをいうと言えば、
やはり「銀座」が一番。
「銀座和光」
「松屋銀座」
「銀座天國」
「銀座木村屋」
「銀座千疋屋」
「銀座かねまつ」
「銀座アスター」
「銀座ライオン」
挙げていくとキリがない。

創業地が銀座、などというのが多い
のだろうが、やはり「銀座」という
ブランド力を借りて、高品質である
ことを中心とする良いイメージを
醸成する心積もりが多少なりとも
あるのではないか。
何と言っても、日本一土地の値段が
高いというブランド力は、そう簡単
には衰えることはない。

話を「腰塚」に戻すと、サイトを
見に行ってみて分かったことがある。

何と、ドトールの子会社である
日本レストランシステムの手による
経営なのだった。
ちょっと不勉強だったなと反省して
色々見てみたが、この「日レス」は、
かなり幅広く人気レストランチェーン
を手掛けている大元。

・洋麺屋五右衛門
・天馬咖喱
・卵と私
・星乃珈琲
などの人気チェーン店を手掛けて
いるのである。
どこも、すかいらーくグループの
ような一般大衆ど真ん中、という
よりは、少しひねりを利かせた、
少々高くても良いもの、美味しい
ものを食べたいと思う、一般大衆
の若干だけ上の層を狙った業態と
いう印象。
ドドーンと多店舗展開を一気に
してしまうよりも、ブランドを
大切にして、無理に出店を重ねる
ことはあえて避けている、そんな
印象のあるチェーンが多い。

IR情報のところをみると、しっかり
営業利益も確保しており、経営者の
手腕の高さがうかがわれる。
今回のコロナ騒ぎでどこまで業績が
落ちてしまうのか、少々心配な
ところだが、何とか乗り切って
欲しいと応援したくなったので
あった。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。