「顧客志向」の組織へと導く
昨日は、日経の下記記事を引用し、
P&G出身マーケターに関することを
書かせてもらった。
引用した日経記事自体の中身に
関することはスルーしてしまった
感があるので、今日はそちらを
ネタにしてみたい。
アサヒビールの松山新社長、
キリンビールの山形新副社長、
いずれも元P&Gのマーケター。
そのご両人が、こてこての日本の
企業であるビール会社にそれぞれ
入社して、体験したことがとても
似ているところが面白い。
山形氏の体験談を引用する。
次に、松山氏の体験談からも引用する。
いずれの会社も、「顧客」不在のままに
様々なマーケティング活動が行われがちで
あったことが見て取れる。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
これを地で行く組織だったわけだ。
顧客視点を徹底して学んできたP&Gの
マーケターなら、いや、P&G出身者に
限らずマーケティングの本来の意義を
理解する者なら誰でも、即座に違和感を
抱いたかもしれない。
そして、どうすれば「顧客志向」の
組織へと生まれ変われるか、
リーダーシップが問われる。
アサヒにせよ、キリンにせよ、
マーケティング部門を発足した当初は、
きっと「顧客志向」を徹底しようという
ビジョンを持った組織だったのだろうと
推測するところ。
しかし、組織というのは、よほど注意
深く束ねていかない限り、やがて徐々に
そのビジョンや目的から逸れてしまい、
その組織の存続自体が目的化したり、
組織の慣行を形式的に守ることが重視
されたりしがちだ。
そんな組織で、正論を説くだけでなく、
実際に行動を起こし、実績を積み重ねる
ことで信頼も勝ち取ってきたからこそ、
松山・山形両氏が社長や副社長といった
枢要な地位を占めるに至ったのだろう。
今後、ご両名が益々ご活躍されることで
我々消費者がより多くのメリットを受け、
両社が健全に発展していくことを大いに
期待したい。