消費者視点、消費者理解を徹底する
ネスレに新卒で入社し、
グローバルのアサイメントなども経て
マーケティングのフィールドで
大きな業績をあげた後に、
Mizkan(ミツカン)に転職、
取締役マーケティング本部長の重責を
担っていらっしゃるのが
槇亮次さん。
そのインタビュー記事をAdvertimesで
拝読しました。
最初からマーケティングに配属と
なったわけではなく、当初は営業を
担当されていた槇さん。
しかし、普通の営業ではなかった
ところから、マーケティングに
引っ張られることになります。
その普通でない様子が描かれている
箇所を抜き出しましょう。
仕事に面白さを見い出し、
「一般的」な枠にとらわれず、
とにかくひたすら店舗まわりを
されたのですね。
数をこなすうちに、
消費者に対する観察眼が鍛えられ、
「仮説」を構築する力が身に付いた
ことが読み取れます。
そして、自らの「仮説」を、
具体的な「提案」に昇華させるチャンスに
巡り合い、即座にそのチャンスをつかむ
「行動」へと移ったところが素晴らしい
ですよね。
そんな人材を、上が放っておくはずが
ありません。
ブランドマネージャーとして引き抜かれ、
やがてグローバル部門へも異動すると
いうエリート路線を歩まれます。
順調に業績をあげていた2014年、
「キットカットショコラトリー」で
社外のプロ(高木康政パティシエ)と
ご一緒される機会がありました。
その仕事を通して、消費者により高い
価値を提供することのできる協業の
面白さに目覚めた槇さん。
お声のかかったMizkanの企業理念に
グッときたことや、協業による価値の
創造を行う上で商品を幅広くたくさん
持っている方が良いだろうという思い
から、転職を決めたようです。
なんと、束ねるべき部下が180人もいる
という槇さん。
その部下に対して、ポジティブな評価を
交えつつも、「あえて厳しく言うなら、
顧客理解が不十分」とのこと。
ついメーカー視点がにじみ出てしまう
部下の分析内容に対して、
という愛のムチを振るいます。
消費者視点を徹底することは、
基本中の基本。
それでもメーカーにいるとつい「罠」に
陥ってしまいがちななのですよね。
組織が大きくなればなるほど、
この基本を徹底することの難易度も
上がります。
そこをなんとか乗り越えてこそ、
マーケティングの持続的な成功が
望めるのだということを、改めて
肝に銘じようと思った次第です。