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伝説的コピーライターお二人の対談
宣伝会議が発行している
「Advertimes」というメディアに
よくお世話になっています。
その「Advertimes」に、
非常に興味深い記事が、
前後編に分かれて最近アップ
されました。
これまで、このnoteでも何度か
取り上げてきたキャッチコピー。
それを生業にしている人が、
いわゆるコピーライターです。
有名なコピーライターの中でも、
特に有名ということで名前がよく
挙がる人の筆頭が、糸井重里さん
ではないでしょうか。
そして、業界においては同じくらい
重鎮と言える、谷山雅計さん。
そのお二人の対談企画が、
面白くないわけがありません。
お二人の掛け合いを、
是非とも多くの人にそのまま
堪能していただきたい。
そう思うわけですが、
それではあまりにいい加減すぎるので、
特に印象深い内容、コメントなどを
ランダムにピックアップしてご紹介
したいと思います。
僕の君は世界一。
(パルコ/1981年)
糸井さんが気に入っているという
このコピーの裏話として、
当時パルコのCMは先に映像が
出来上がっていて、そこにはめる
コピーを糸井さんが後から考える、
そんなやり方をしていたことが
明かされます。
そして、その先に出来上がった映像を
撮っていた、CMディレクターの
川崎徹さんに関して、糸井さんの
暴露話がこう続きます。
映像には二人しか登場しないのですが、川崎さんは登場人物の家系図まで用意していたんです。お父さんがどういう人で、どんなところに勤めているかなど、細かいメモがありました。登場人物の背景を考えている演出家は多いけれど、家系図まで書いている人はそんなにいないでしょう(笑)。それを見て感動しながらも、ここまで脚本ができあがっているものに対して僕は何をすればいいのかと考えました。
人を感動させるレベルの作品には、
陰にこういったトコトンまで突き
詰める努力が隠れているものなの
だろうと思わざるを得ません。
おいしい生活。
(西武百貨店/1981年)
糸井さんの代表作と言ってもいい、
とても有名なコピーですね。
しかし、なぜこれが「名作」とされて
いるのか、分からない人も多いだろうと
谷山さんがズバリ斬り込んでいきます。
糸井さんは、このコピーが実は
別の海外ロケの帰りの飛行機の中で、
紙ナプキンに書いたものだったと
いうことを暴露されています。
「アイデアの三上」と言って、
良いアイデアは
「馬上(ばじょう)」=移動中
「枕上(ちんじょう)」=睡眠中
「厠上(しじょう)」=トイレ
にて生まれると言いますよね。
糸井さんのこのコピーは、
正に「馬上」で生まれたコピーだと
言ってもよいでしょう。
想像力と数百円
(新潮社/新潮文庫/1984年)
私が小学生から中学生に上がる頃の
コピーでして、これが本屋さんで
大々的に喧伝されていたのを今も
覚えています。
この仕事は、糸井さんの前には
仲畑貴志さんという重鎮が手掛けて
いらしたもので、
「上手じゃないとバカにされる」タイプの仕事
満塁でバッターボックスに立つような緊張感を伴うもの
だったと糸井さんが回想されて
いたのが印象的でした。
更に、谷山さんからのツッコミで、
サマセット・モームの小説『月と六ペンス』が着想のヒント
だということも明かされていたのが
興味深く思ったポイントです。
更には、糸井さんの後を引き継いだ
谷山さんと大貫さんが、
このコピーは素晴らしい、なぜ違うコピーに変えなくちゃいけないんだろうという話を、打ち合わせのときによくしていました。だから、僕らはこのすごいものとは全く違うことをやらなくてはいけないんだという考えから、パンダを使った「Yonda?」が生まれたわけです。
こんな会話をしていたと知り、
名作コピーの生まれた劇的な舞台裏を
知ることができて、一人勝手に興奮
しまくっていた次第です。
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