誌上勝手コンサル・燻製ナッツ
おつまみといえば、ナッツである。
我が家には無塩のミックスナッツが
常備してあり、お酒の友にするほか、
朝食時に玄米フレークなどのシリアル
に混ぜて一緒に食べたり、小腹が空い
たときにつまみ食いしたりしている。
この無塩ミックスナッツは、近所の
スーパーで定期的に特売してくれる
ので、その際に買い溜めしている。
妻からは都度ひんしゅくを買っていた
のだが、最近はあきらめてくれた様子。
そんなナッツ好きの私に、友人から
「燻製のミックスナッツ」を販売して
いるのでよかったら食べてみて欲しい
との話を以前からもらっていた。
ついつい後回しにしてしまっていた
のだが、先日ようやく重い腰を上げて
注文をしたところ、翌日早々我が家に
届いていた。
Amazonに負けないスピーディーさ。
ミックスナッツの市場プレイヤーと
してすぐに思い付いたのは、
共立食品となとり。
東洋ナッツというところも大きい
ようだ。
どこか特定のメーカーが支配して
いる市場ではなく、群雄割拠状態
である様子がうかがえる。
だからこそ、個人であっても何かしら
ユニークな差別化ポイントを見つける
ことができれば、活路を見い出すこと
ができるのかもしれない。
その活路を、「燻製」というところに
見い出せないかというのが友人の挑戦
なのだと言える。
「ダン・スモーキー・ナッツ」
ダンは友人の名前(そのまま!)、
燻製なのでスモーキー、
極めて分かりやすい。
4種類のナッツを、7種類のチップで
燻製に仕上げた、その薫りの違いを
楽しんで欲しいとある。
チップの7種類とは、以下の通り。
【サクラ】日本で最もメジャー、非常に強い薫り
【ヒッコリー】米国の人気、爽やかなスッキリした薫り
【クルミ】クセのないオールラウンドに使える薫り
【ナラ】少し渋みがあるが、意外とスッキリした薫り
【リンゴ】果実の風味を思わせる少し甘い薫り
【ウイスキーオーク】ウイスキー樽に染み付く大人の薫り
【広葉樹ブレンド】選りすぐりの広葉樹で爽やかな薫り
まだ全てを食べ比べてはいない
のだが、通常のナッツに比べて
確かにスモーキーな味わい。
コクが出ている、と言い換えても
よいかもしれない。
燻製にする際に使うチップの材質
の違いによって、薫りにも微妙な
違いがあることが、上記の通りに
説明されている。
恐らくは、ソムリエなどの香りに
とても敏感な方々であれば、その
微妙な薫りの違いをかぎ分けること
ができるのだろう。
残念ながら、私にはそこまで優れた
嗅覚はないようだ。
一般人は、私と同様、そこまで燻製
のチップの違いに聡くはないだろう。
であれば、いかにチップの違いを
頭でイメージしてもらい、舌だけで
なく脳で味わってもらうかが肝心だ
と言える。
ワインと同様、それぞれの薫りの
特徴を表現するバリエーションを
増やして、ナッツを食べる際に常に
その特徴を思い出しながら、脳内で
言葉をリフレインしながら食べて
もらえるように仕向けることで、
「やみつき」になる人を増やすこと
ができるかもしれない。
お客様は、ナッツそのものを消費する
と同時に、その背景にあるストーリー
をも消費している。
ワインを楽しむ際には、ワイン畑や
ワイナリー(蔵)がどうだとか、
ブドウの品種、採れた年の気候や
出来具合、作り手のこだわり、
そういったストーリーをも味わい
ながら飲む。
だからこそ、美味しさが脳内で増幅
する。
価格では大手や老舗にかなわない中で、
いかに付加価値を高めるかを考える
なら、モノ+ストーリーをどこまで
徹底できるかが大切だと思うのだ。
薫りの特徴を言語化すると共に、
ペアリングの提案も是非してほしい
ところ。
ウイスキーオークの薫りは、当然
ウイスキーと相性がいいだろうから、
ロックなり水割りなりとペアリング
することを勧める。
例えば、ナラの若干の渋みが、
すっきり辛口の日本酒と合わせると
抜群であるとか、
リンゴの少し甘めの薫りが、白ワイン
でもソーヴィニヨンブランの味わいに
ピッタリはまるとか、
色々な提案が出来そうな気がする。
以上は全てあくまでも当てずっぽう
に過ぎないので、ご本人に検証して
もらいたい。
以上、頼まれてもいないのに勝手に
評価させてもらった。
ポテンシャルはあると思うので、
引き続き頑張っていただきたい。