自分への投資
まだ社会人になって4、5年目くらい
のこと。
プルデンシャル生命保険が日本に
入って来て、とても速い勢いで業績を
伸ばし始め、私もその名前をチラホラ
と耳にするようになっていたと記憶
している。
そんな折に、当時プルデンシャルで
ライフプランナーになりたてだった
後輩から、「一度話を聞いてほしい」
と言われた。
色々聞いた上で、折角だからお願い
してみようとすんなり決めたのを
覚えている。
それから早や20年以上。
後輩君は数年後に別の会社に移った
ため、自宅にほど近いところを拠点と
しているライフプランナーさんが
割り当てられ、その後かれこれ15年
くらいはお付き合いさせてもらって
いるだろうか。
毎年、この季節になると、
恒例行事よろしく
「最近いかがですか?」
ミーティングを持つ。
恐らくはほぼ全ての
ライフプランナーさんが、自分の
顧客と年に一度は直接対面で
現在の契約内容を確認した上で、
「何か困っていることはないか?」
「お役に立てることはないか?」
と近況伺いをしているはずだ。
そして、併せて
「今のライフステージだとこんな
ニーズがあるのでは?」
「実はこんな商品がありまして・・」
というようなアップセルの機会に
つなげる努力をしているはずである。
15年も毎年お会いしていると、
さすがにパターンは分かる。
勿論プランナーさんの方もそれは
承知の上で、それでも
「断られる前提で、それでも良い商品
だと思うものを一応お勧めします」
というスタンスを明確に述べられる。
なので、一応お話を一通り聞くように
しているのだ。
なぜその商品がお勧めなのかを
聞くことで、割と参考になることも
ある。
ただ、今回の面談では、アップセルの
話を途中まで聞いたところでストップ
させてもらった。
年金的に使えるドル建て積立保険の
話だったが、昨年も同様の商品説明を
受けており、かつ現時点で投資する
可能性が自分の中でゼロだったので、
悪いなと思いつつあえて途中で
遮ったのである。
そして、投資する可能性がゼロで
ある理由を、私の方からプランナー
さんにさせてもらった。
投資は、余裕資金でするのが原則。
しかし、今は余裕資金を保険への
投資に回したくはない。
なぜならば、今この時期は
「自分」に投資を回すべき!
と判断し、行動しているからだ、
という趣旨をお伝えしたのである。
副業の話をごく簡単に説明した上で、
ビジネスを少しずつ育てるために、
自分自身の知識や経験、人脈作りと
いったものに投資をする必要があり、
人生百年時代を見据えて今優先すべき
は「自分」への投資である、
という判断には、とても納得をして
いただけた。
お金を銀行や証券、保険といった
金融機関に預けて運用しても、金利は
ほとんどつかず、増えても数%。
2倍、3倍に増やすのは至難の業。
しかし、自分への投資であれば、
可能性は無限大!
というのは言い過ぎかもしれないが、
非常に効率の良い投資たりうる。
何より、自尊心が高まるし、
折角の投資を回収しようとする
モチベーションも上がるという
もの。
余裕資金を回すだけでなく、
積極的に資金を投入して自らを
作り変えていくように行動すると、
自然と「同志」が周りに増えて
来るのも面白いところ。
暗いニュースの多い日本にあって、
せめて自分の周囲だけでも明るい
ニュースで満たし、
「一燈照隅」を地で行く存在と
なって、「同志」をより一層
増やしていきたい、
そんなことを考えた次第。