「全員がマーケティング機能の一員」
昨日のnoteで、日経MJの1面に載っていた
日本コカ・コーラ会長最高責任者である
魚谷雅彦さんのインタビュー記事をネタに
書かせてもらいました。
今日はその続きを書かせてください。
魚谷さんは、資生堂にマーケティングの
統括顧問として入り、その1年後に社長に
就任されました。
その就任の折に社員に伝えたメッセージ、
それがタイトルに掲げた
「全員がマーケティング機能の一員」
というものだったそうです。
マーケティング畑でずっと仕事をされて
きた魚谷さんだからこその言い回しと
言えるかもしれませんね。
魚谷さんに限らず、マーケターは同じ
ような思考をする方が多いであろうと
思います。
かくいう私も、ほとんど同じような
発想でマーケティングを捉えている
と言ってもよいでしょう。
もちろん、魚谷さんと比較するのは
おこがましい話なのですが。
私がUdemyというプラットフォームで
提供するマーケティングの講座では、
こんなことを冒頭でお伝えしています。
その上で、「経営/ビジネス」とは
「マーケティング(広義)」と
「間接業務」とに分けられるという
説明をするのですね。
つまり、経営のコアはマーケティング
なのだと言い切っているわけです。
このことは、経営学のグルである
ドラッカーの言葉とも相通じています。
曰く、
ドラッカーは、マーケティングと
イノベーションを切り分けて考えて
います。
しかしながら、マーケティングの定義の
仕方次第では、イノベーションを包摂した
概念として捉えることも可能だと思って
おり、もしそれが許されるのであれば、
「企業の基本機能=マーケティング」
だと言い切ってしまえるのですね。
そうであれば、会社の経営者も、そこで
働く従業員も、みなマーケティングの
機能を仲良く分担する存在であるべきで、
先の魚谷さんの言葉通りとなるわけです。
魚谷さんは、そのメッセージを伝えつつ、
具体的にどのような行動へと落とし込む
べきかについてまで、しっかりとフォロー
されている印象でした。
起点はお客様。
これがマーケティングの基本中の基本
とも言える考え方なわけですが、
その考え方を全社員に行き渡らせようと
努力されてきた跡が伺われる話だと
感じた次第です。
魚谷さんが去った後の資生堂が、
どんなパフォーマンスを見せるか、
興味深いところですね。