生キャラメルの花畑牧場は今
「田中義剛」という名前を聞いて、
パッとあの顔が思い浮かぶ人は
どれ位いるのだろうか?
テレビで売れっ子タレントとして
活躍していたのは80~90年代。
1994年に、花畑(はなばたけ)牧場を
創業して、早や27年目を迎えている。
「生キャラメル」が社会現象にまで
なったのも、随分昔の話だ。
何となく、牧場の名前は記憶していた
ので、店頭でこれを見つけたときは
「えっ、なんで?!」と驚いた。
ハンドメイドに近い商品を、
直接消費者向けに販売をしている
イメージしかなかったのに、
いかにもスーパーで売ってそうな
大量生産っぽい体裁の商品を、
実際にスーパーで見かけたのだ。
「生キャラメル」だけでなく、
チーズなども取り扱っているのは
知っていたが、まさかこのような
商品まで出しているとは。
ということで、改めて花畑牧場が
現在どのような展開をしているのか
興味を持ち、ササっと調べてみる。
こちらに、花畑牧場の企業理念や、
沿革などが載っている。
田中さんの創業ストーリーは、
簡潔ながらなかなか読ませる内容。
一頭のジャージー牛から始まって、
今では300名近くの従業員を擁する
立派な企業だ。
他のサイトで紹介されていたところ
によると、一時破産寸前まで追い詰め
られたこともあったようだが、
何とかそれを凌いだところへ、
あの「生キャラメル」の大ヒット。
年商ベースで150億まで行ったものの、
今では恐らく半分以下だろうとの
ことだ。
今も、「生キャラメル」は健在、
チーズなど手作り感の強い商品も
オンラインショップでしっかりと
取り扱いをしていた。
と同時に、今回スーパーで目にした
ような、スーパーなどの販路に卸す
いわゆるB2B商品も扱っているわけで、
事業チャンスを併行して作り上げて
いたのである。
これは、単に事業拡大しているという
見方もできるが、リスクの分散という
見方をすることもできるだろう。
今回のコロナ禍のように、店舗を持つ
ビジネスモデルに大きな悪影響を
与えるようなことが起こっても、
B2BとB2Cの両方を持っていれば、
どちらかは生き残れる可能性が高い。
更に、両者が相乗効果をもたらす
というチャンスも追求できる。
B2Bルート、つまり大量生産品を
スーパーなどで展開すると、より
多くの消費者に商品を試してもらう
ことができ、ゆくゆくは自前の店舗
に来てもらえる可能性が高まるかも
しれない。
あるいは、既にブランドを知って
いるお客様が、スーパーなどでこの
商品に出会ったら、購入確率は随分
高まるのではなかろうか。
肝心の、スーパーで買い求めた
チーズの味は、まずまずの美味。
200円程度の価格で、手軽に楽しめる
「おつまみ」に、花畑牧場の物語が
付いてくると思えば、
安い買い物である。