見出し画像

幸せな人生を送るスイッチ

筑波大学名誉教授の村上和雄先生が
亡くなられて、既に2ヶ月近くが
過ぎようとしている。
定期購読している『致知』に、毎号
「生命科学研究者からのメッセージ」
と題する連載をされており、いつも
興味深いお話を書かれていた。

先月届いた6月号が、この連載の
最終回となった。
タイトルは、「人間の究極の願いは
幸せになること」

アメリカのポジティブ心理学研究者、
タル・ベン・シャハー博士の考えを
紹介しつつ、今のコロナ禍状況を
乗り切るためにこの考え方を有効
活用しよう
と呼びかけている。

シャハー博士は、「幸せな人生」を
「全人格的なウェルビーイング」と
定義した
そうだ。
カタカナになると、スッと頭に
入りにくいきらいがあるので、
念のため補足しておくと、
「ウェルビーイング」とは
「よい生き方」という意味合い。

そして、博士は「ウェルビーイング」
を5つの側面から探求したとある。
その5つとは、頭文字を取って
SPIRE(スパイヤー)。

Spiritual 精神的ウェルビーイング
Physical 身体的ウェルビーイング
Intellectual 知性的ウェルビーイング
Relational 人間関係的ウェルビーイング
Emotional 感情的ウェルビーイング

このように、多角的に
「ウェルビーイング」の概念へと
アプローチした結果、「全人格的な」
という定義へとたどり着かれたので
あろうか。

ちなみに、英語では
「Wholebeing Happiness」
という言葉を使っているようだ。
Wholebeing Institute というところが、
SPIREモデルに基づく学習コースを
提供しているとある。


記事にあることを咀嚼しながら、
それぞれを簡単に、あえて一文で
自分なりに以下まとめてみた。

<精神的ウェルビーイング>
自分の強みを活かし、人生の意味、
使命を実感しながら生きる。


<身体的ウェルビーイング>
栄養、睡眠、休息などを通じて、
心と体の健康を保ちながら生きる。


<知性的ウェルビーイング>
元来持っている知的好奇心を解き放ち、
ワクワクしながら生きる。


<人間関係的ウェルビーイング>
自分自身と向き合い、あるいは自分が
大切に思う人と共に豊かな時間を過ごし、
健全な関係性を構築しながら生きる。


<感情的ウェルビーイング>
人間である以上は当然に生じる、
ネガティブ/ポジティブ含む様々な感情
を受け止め、許し、前向きに生きる。



ポジティブ心理学の分野は、
ここ数年で大きな脚光を浴びてきた
分野だ。
「マインドフルネス」という概念も
最近では誰もが知る単語になりつつ
あるところで、急速に世間における
認知と理解が進んでいることを
肌で感じるところである。

奇しくもコロナ禍で、このように
急に脚光を浴びて来たこの分野の
実用性が試されているという部分が
あるかもしれない。
いや、この分野が実用性を持つが
故に、コロナ禍で一層の脚光を
浴びることになったという方が
正しいだろう。

いずれにせよ、村上先生が
ずっと説かれてきた
「遺伝子のスイッチをオンにする」
ことで人生をポジティブに生きよう
というメッセージは、ポジティブ
心理学の分野が発展するにつれて、
社会の中により一層広く、深く
浸透していくものと思われる。

改めて、村上先生のご冥福を
心よりお祈りしたい。


いいなと思ったら応援しよう!

ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。