「Banca 06 Kinjo」&「Corrutela」 さんぱうろぐるめをっちゃー 宮本碧 月刊ピンドラーマ2024年6月号
Banca 06 Kinjo
所在地:R. Barão de Duprat,400(ヤマト・キンジョウ市営市場内)
電話なし
Instagram:@banca06kinjo
市場が改築中のため、黒いビニールの覆いがあちこちに垂れ下がり、床は雨でぬかるんでいる中に店があった。Banca 06はスタンドという名のとおり、カウンター席と2席のみのテーブル席で10人もお客さんが入ればいっぱいになる。席に着いて水を飲んでいると、この店のシェフがバジルの束を手に戻ってきた。市場の中にあり、基本的にその日手に入った野菜、魚、肉を使った昼ご飯が提供される。シンプルで何の衒いもないが、注文を聞き、シェフ自身がその場で一人分づつ料理を作ってくる。
この日食べたのは鰆のトゥクピーソース(キャッサバ芋の汁を発酵したソース)添え、ほうれん草のバターソース、ゴマ入りのご飯。料理はアルミ食器で出てくる。シンプルだが、どの料理も丁寧に作られている。しいてたとえるならば、愛情のこもった賄い飯。毎日、その日のメニューが四品ほど黒板に書かれる。この日は他にイワシ、豚のひれ肉、ひき肉とキャッサバがあった。シェフによると、その日に市場に入った魚しか使わないので、魚を出すのは基本的に火曜から金曜とのこと。
タラのパステルとモルタデーラのサンドイッチで有名なメルカドンと呼ばれる市営市場の向かいのやはり市営のヤマト・キンジョウ市場の中にある。近くには魚の頭や魚卵を袋詰めにしたもの、アニスが入ったアラブパンなどが売られており、見ているだけでも楽しい。
Corrutela
所在地:R. Medeiros de Albuquerque, 256 - Vila Madalena
電話:(11) 3097-9490
Instagram:@corrutela
コロナパンデミックが始まるとさっさと扉を閉め、終焉するとさっさと同じ場所と同じコンセプトで再開したコフテーラを久しぶりに訪ねた。サステナブルなレストランとして野菜は小農家から購入する、小麦をレストランで製粉する、野菜くずはたい肥にするなどのコンセプトは以前のまま。
この日、頼んだのはカキと魚のカルパッチョ、羊、魚とタコ。カキとカルパッチョの盛り付けが絵画のように美しかった。プロテイン、付け合わせ、ソースはそれぞれリストの中から選び、好きに組み合わせられる。一番印象に残ったのは、泡立てた卵の白身をゆで、カスタードソースに浮かべたフランスのイル・フロタント(浮島)をブラジル風にアレンジしたデザート。カスタードソースがブラジルのフルーツ、ジェニパポから抽出した色素で青く染まっており、まるで空に浮かぶ雲。カロリーのことを考え、3人でシェアしたが、実は独り占めしたかった。
月刊ピンドラーマ2024年6月号表紙
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