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「Shihoma Pasta Fresca」&「Tordesilhas」 さんぱうろぐるめをっちゃー 宮本碧

#さんぱうろぐるめをっちゃー
#月刊ピンドラーマ  2022年7月号
#宮本碧  文と写真

Shihoma Pasta Fresca

R. Medeiros de Albuquerque, 431 - Vila Madalena(地図
Tel: (11) 3819-2333

日系人のマルシオ・シオマツさんがヴィラ・マダレーナに開いたレストラン。和食?と思われるかもしれないが、手作りパスタのレストランである。

パスタに魅せられたマルシオさんは5年間、トロントのいろいろなイタリアンレストランで修業した後、Shioma Pasta Frescaをオープンした。しかし、開店時期が新型コロナウィルスのパンデミックと重なったため、当初はデリバリーのみの営業であった。現在はデリバリーのほか、レストランでもフレッシュパスタを食べることができる。

マルシオさんが作るパスタは繊細で、エビ、イノシシ肉、トリュフなどフレッシュな材料がまるで和菓子のようにひとつづつ丁寧に包み込まれている。また、モチモチとした触感自体を楽しむためバターと香辛料だけのシンプルな味付けのスパゲッティもある。

鶏レバーのパテ

この日食べた鶏レバーのパテはクリーミーな舌触りで、少し酸味のある自然発酵のパンに合わせると際限なく食べられる。また、エビのトルテッリは透き通るように薄い皮でビスクで和えたみじん切りのエビが包まれており、エビワンタンを思い出す味であった。

エビのトルテッリ

これ以外にも興味深いパスタがいろいろあり、是非、近いうちに再訪したいと考えている。


Tordesilhas

Alameda Tietê, 489 - Jardins(地図)
Tel: (11) 3107-7444

ブラジル各地の料理を出すTordeshilhasのオーナーシェフ、マラ・サレスさんは料理を作るだけではなく、料理研究家でもある。そのため、Tordesilhasはブラジル北部のトゥクピーで煮込んだカモ、北東部のムケッカやボボ・デ・カマロン、サンパウロの豚肉やフェイジョン、目玉焼きなどの一皿盛り、Virado à Paulista、南部のBarreadoという牛肉をトロトロに煮込んだ料理などいろいろ味わうことができる。

マラさんはまた、フレンチ、イタリアンなどと比べて一段下に見られていたブラジル料理をおしゃれな料理に変身させた立役者でもある。

Comissão de Frenteというエビのパステル、バターで和えたビーフジャーキー、キャッサバ・ボールから成る前菜の盛り合わせでは少しづついろいろな料理を試すことができる。

魚のトゥクピーソース

また、旨味、甘味、酸味があり、個人的には万能調味料だと思うキャッサバの搾り汁を発酵させて作ったトゥクピーのソースで味わう魚、数時間煮込み、バナナと一緒に食べる牛肉料理、Barreado、トマト、玉ねぎ、イタリアンパセリ、レモンなどで魚を煮込んだあっさりしたエスピリト・サント州のMoqueca Capixabaなどがお勧めである。

Barreado


宮本碧
最初は留学生としてブラジルに来たが、ブラジルにはまり、現在ブラジル在住約30年。食べることが大好きで、どんなに落ち込んでいてもおいしいものを食べると幸せな気分になれる。翻訳業。


月刊ピンドラーマ2022年7月号
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