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【学習参考書レビュー】大学入試 漆原晃の 物理基礎・物理[電磁気]が面白いほどわかる本

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🐬今回ご紹介する教材

前回に引き続き、漆原晃先生の著書です。
[力学・熱力学]と重複する部分は極力端折っていくので、未読の方はまず↓をお読みいただければ幸いです。


🐬概要

各テーマは、「Story」、「POINT」、「チェック問題」、「まとめ」の4つで構成されています。本書のより良い効果的な使い方は以下の通りです。
1)「Story」:物理現象のイメージを伝えるために多くのたとえ話でわかりやすく解説。本文をしっかり読み込み、教科書と並行して学習するとより効果的!
2)「POINT」:物理を学習するうえで重要な概念や原理・公式など、理解しておくべき要点を整理!
3)「チェック問題」:あらゆるタイプの出題にも対応できるように数多くの問題を掲載。「シンプル」かつ「万能」な解法ばかりで解ける自信がつく! そして、別解では物理的センスを養ったり、本番で役立つ吟味法も身につく。
4)「まとめ」:各章で展開した内容の要点を整理し、理解度の指針となる!

Amazon商品紹介ページより引用
https://amzn.to/4cuEMmc

ご覧のように、基本的な構成は[力学・熱力学]と同様ですね。

🐬難易度

★★★☆☆☆☆☆☆☆ ~ ★★★★★☆☆☆☆☆

難易度の目安
共通テスト: ★★★★☆☆☆☆☆☆
千葉大学: ★★★★★☆☆☆☆☆
筑波大学: ★★★★★★☆☆☆☆
東京大学: ★★★★★★★★★★

※ここ数年の問題を解いたときの感覚から
なんとなく数値化しているだけなので目安程度にお考えください。

🐬取り組み

受験生時代に何回もやりました。
エアプではなく全問題きっちり解いた人間のレビューだということで、信用していただきたいです。

🐬この本を使って難関大に合格した生徒の話

去年指導していた筑波大学志望の生徒(Dさん)はこの本をはじめとする漆原晃シリーズを使い、共通テスト本番で95点中央大学理工学部共通テスト利用合格🌸東京理科大学創域理工学部合格🌸、早稲田大学教育学部地球科学専修合格🌸、筑波大学(生命環境学群)合格&進学🌸を決めました。
ちなみに彼の自己採点ですが東京理科大学C方式、グローバル方式入学試験の物理で満点を取っていました。素晴らしいですね。

↑有料noteですが、Dさんをはじめとする生徒の科目別の詳しい指導内容などはこちらに記載があるのでよろしければ御覧ください。

🐬コスパ

304ページで税込1540円なので、学参としては平均的な価格です。

🐬Pros

🌴定義を徹底的に覚えさせる

漆原先生のシリーズは、当時の私を含め受験生から「電磁気が神」という声がよく挙がっています。
その理由の1つに「用語の定義を徹底的に覚えさせる」という点があると思います。
例えば電場と電位の定義は何度も何度も登場します。
そのため、「電場を求めよ」というような問題では電場の定義から考える癖が自然とつく構成になっています。

☕コーヒーブレイク☕
平均的な学力の高校生に個別指導をしているとわかるのですが、「電場を求めよ」という問題で定義から考える生徒はほとんどいません。
みんなまず「なにか電場が含まれている公式なかったっけ?」と、公式から出発してしまいます。
というか、このように公式を考えられるならまだマシな方で、実際は公式(のうち覚えるしかないもの)すら覚えていない生徒が多いです。
学び方、そして教え方の大切さが身にしみます。

🌴コンデンサー回路と電磁誘導の解法がわかりやすい

他もわかりやすいんですが、私が感銘を受けたのはこの2分野でした。
実際得点源にできており、山梨大学医学部の物理ではこの分野はおそらく満点で、トータル9割ほど得点できました(得点開示してないから自己採点だけど)。

漆原先生は、コンデンサー回路ではまず電圧Vを仮定します。
物理のエッセンスでは電気量Qから仮定しますよね。
結局は同じことなのですが、電気量を仮定するとキルヒホッフ第二法則で電位の式を立てたときに分数の形になってしまうので、私は漆原先生のように電圧から仮定する方が好きでした。

(なぜか前回力学の記事に書いてしまったのですが、再掲すると、)電磁誘導では「起・電・力」をキーワードにして、

起…起電力(誘導起電力)の式
電…電気回路の式(キルヒホッフの第1法則、第2法則)
力…力学の式(運動方程式)

というように毎回決まった手順で解かせます。
最初は何も考えずにこの手順で解いていくんですが、だんだんと問題に合わせて自分なりにショートカットしたり手順変更をしたりできるようになっていきます。

🌴交流を微積っぽく解く

これはConだと感じる生徒もいるかもしれませんが、私にとってはProでした。
例えば、教科書などで以下のような記述があるじゃないですか。

・RLC回路において、コイルに流れる電流は、コイルにかかる電圧に比べて位相がπ/2遅れている。
・RLC回路において、コンデンサーに流れる電流は、コンデンサーにかかる電圧に比べて位相がπ/2進んでいる

(コイルについては「ツンデレ」(by漆原晃)というイメージから連想しやすいものの)私は鳥頭すぎてこういうのを覚えることができなかったんですね。
だから何も考えずに微積で計算して位相を求めることができたのは非常に助かりました。
そもそも理系なら数IIIで三角関数の微積は習うので、この方法で教わった方がよいと思います。

ただ実際には為近和彦先生のようにベクトル図(?)で位相差を考えさせる先生もいらっしゃるので、そっちに慣れている人にとっては煩わしく感じるかもしれません。

あと「微積っぽく」と書きましたが、おそらく出版社の都合で「微積は使わない」ということになっているようで、「式変形」という形でお茶を濁しています。笑

※ちなみに漆原先生はご自身の予習や授業でもばちこり微積してるんですが、「微積」を全面に押し出してはいませんね。多分生徒のレベルに合わせています。

🐬Cons

🌴電位の定義が多数出てくる

この本では電位を複数の面から定義しています。
詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、何にせよ序盤から1つの用語を複数の面から定義付けしているので、最初はわかりにくく感じました。
(もちろん今ならわかりますけどね!)

🐬類書

🐬こんな人にお勧め

・学校で一度物理の授業を受けたけど忘れちゃった人。
・ガチの初学者だけどめっちゃ根性と集中力がある人(私は挫折しました)。

🐬書いてる人


ひょーどる

・1990年生まれ。
・2013年に早稲田政治経済学部経済学科を卒業。
・その後理系に転身し、2014年前期日程で東京大学教養学部理科二類を再受験するも不合格。同年後期日程で山梨大学医学部医学科に合格するも、進学しませんでした(記事)。
2015年東京大学教養大学理科二類を再び受け直し、合格🌸(記事
・家賃と生活費を自分で支払いながら第二の大学生活を送ることに。
・4年間の休学と1年間の降年を経て、2024年春に文学部人文学科を卒業しました。(英語英米文学専修課程に在籍していましたが、卒論を書かなかったので専修課程修了ではなく学科卒業という扱いになります。)
TOEIC990点実用英語検定1級国連英検特A級一次試験に2回合格(なお2次試験で敗退しました。記事
・TOEICはこれまで新旧合わせて35回受けました。旧形式は10回、新形式は25回です(新形式スコア平均値959.8, 中央値960.0, 最大値990)。
2022年と2023年司法試験予備試験短答式試験に合格し、論文式試験で敗退しました。
・英語ジムらいおんとひよこで黎明期からトレーナーを務めさせていただきはや6年目です。
・2022年に医学部対策専門オンラインスクールMedical Hubを開校いたしました。
・2023年にMedical Hubから英語部門を独立させて英語ハブを立ち上げました。

🐬ひょーどるチャンネル

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🐬評判のいいnoteまとめ

🐬学参レビューまとめ


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