あたまに血がのぼったままじゃ終わるものも終わらない
エンジニアの世界で「は徹夜上等」的な思想がまだまだある。もちろん、ソフトウェアやアプリの開発チームで佳境を迎えているところではそういう場面も必ずある。例に漏れずぼくだって若い頃はそういう場面に何度か出くわした。
今はというと、すでにあるシステムの保守・保全業務を主体にしているので、納期がカツカツとか、予期しないバグに遭遇して四苦八苦するような機会は格段に少ない。
新システムのリリース直後などで安定稼働に入る前の保守では、バグが多発したり、顧客からの問い合わせが頻繁にあったりといったリスクも高くなるけれど、もう何年も稼働しているようなご長寿システムだとさほど心配はない。
もしも今、ぼくがバリバリの開発部隊に入ったとしたら、おそらくそのスピード感についていけないと思う。
ただでさえポンコツでありメンタルも貧弱な身なのに、そんな緊張感の修羅場に放り込まれたりしたら瞬時にリタイアするのがオチだろう。
昔は若さだけで持っていたようなもので、もう40歳を超えたこの身では到底持つとは思えない。
でも、エンジニアの世界では40代50代でもバリバリの現役を張っている人もたくさんいて、そういう人たちには憧れもしたけれど、ぼくの頭ではなれないということも悟っている。
だから、きっと今のぼくは「保守業務」が主体の今の現場にいるんだと思う。逆に、それ以外のところではぼくの居場所はなかったんじゃないかとさえ思う。
今の現場を紹介してくれたクライアントと、長く付き合ってくださっている顧客には本当に感謝しかない。
保守業務とはいえ改修などの案件はいくつもあって、当然ながら期限もある。
その期限内に収まるのであればその間はどんな仕事の仕方をしようと自由にできる。特にぼくはフリーランスとして個人契約しているので、出社時間なども基本的には自分で決めている。
とはいえ、期限が差し迫ってくるとある程度は残業したりして追い込む必要が出てくるのだが、最近のぼくはそのわずかな残業ですらこなせる体力や気力が衰えてしまっているなと感じている。
夕方頃になってくると明らかに思考能力が落ちているし、普段ならば起きないようなわかりやすいエラーも増えてくる。
その状態になったぼくはもうあきらめて、次の日にリフレッシュした後のぼくに任せるようにしている。その方が絶対に効率がいいのだ。
でも、ぼくが帰ろうとするころにはまだ残業をされている人もたくさんいて、きっとせざるを得ない状況なんだろうなとは思いつつも、その反面で「本当に今やらなくちゃいけないのかな?」と思うところもある。
人間の集中力なんてせいぜい知れている。体力だってそんなに長く持つとも思えない。
稀に「ほとんど寝なくても大丈夫」みたいなスーパーマンがいるんだけど、でもやっぱり稀だと思う。
大半の人は十分な睡眠を取った方が健康的だし、思考力も回復する。
なのに、デスクの上にエナジードリンクを何本も置いて当たり前のように毎日残業をしている人を見ると、ぼくはその人のことが心配になってくる。
でもやっぱり無理をしていると確実に作業効率は悪くなっているし、システムにも自分の体にもエラーが起きやすい。
ぼくはそんなエンジニアに声を大にして伝えたい。
ちゃんと寝ろ。
たまに無理に無理を重ねて遂にダウンをかましてしまうエンジニアがいるけれど、そういう人は基本的に一人で大事な仕事を抱えてしまっていたりするので、いなくなった途端に現場があたふたする。
そうならないためにも、ある程度のところまでを自分がやり、ちゃんと家に帰ってできない部分は他人に任せることが重要だと思う。
そうすることによって自分の首が閉まることも防げるし、結果として周りのみんなにも迷惑をかけないように済むのだ。
そういう視点を持てない人がいることも事実。自分一人で頑張ることがいいとは限らない。残念ながら多くの場合、それはみんなの首も締めてしまっている。
ぼくなんかのようにポンコツでヘタレ精神しか持ち合わせていない人間には真似もできないが、ぼくが早く帰ったところで誰かに迷惑をかけていることもない。
もしもそれで見放されてしまうのであれば、もっと早く捨てられているだろう。なにしろフリーランスだ。真っ先に切られる可能性の方が高い。
それでも使ってもらえているのであれば、一定の評価はされている。
まあ意識の低いぼくだから、エンジニアとしてさらにバリバリ活躍したいという野望もないんだけど。
それでも仕事としてはしっかりとこなしている自負はある。そうやってできることを自分のできる範囲で精一杯やることがぼくの役目。
そして、仕事以外の部分に時間も体力も使うことがぼくの思想だ。
考えても考えても答えが出なかったり、ずっと続けているのに作業が全然進まない時は頭が煮詰まっている証拠。
や〜めた
って潔く帰ることも、必要だと思うよ。
じゃあ、またね。
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