見出し画像

知っていて、わかってるけど、やってない。

いつも同じ時間に通勤をしていると、駅で見る人たちは大体同じ顔ぶれ。
そりゃそうだよね。みんな会社に着く時間から逆算して同じ時間に着くように、同じ時間の電車を使う。

もちろん全員同じというはずもなく、きっといつもと違う人もいらっしゃるはず。

今日もぼくはいつものようにいつもの駅で、いつもの電車に向かった。
電車が来るホームに上がるには2つの道がある。ぼくが使うのは向かって左側。

そっちは階段。反対側は、エスカレーター。

右側には、長い列ができる。次から次へとアリの行列のように連なっていく。みんな綺麗に並んで順番に、ゆっくりゆっくり上がっていくエスカレーターに足を乗せる。たまに、その列をさらに右側から歩いて追い抜いていく人もいる。

全員が示し合わせたかのように右側を開けたエスカレーターは、常に一定のリズムで回り続けてる。人はその一定のリズムで回る階段の上に両足を乗せるだけでいい。少し時間はかかるけど、勝手に自分を上まで運んでれるのだから楽チンだよね。


少数派のぼくは、空いている階段を上がる。ぼくは駅ではほとんどの場合で階段を使う。

そっちの方が空いているからというのもあるけれど、仕事がデスクワークのぼくは明らかに体力仕事をしている方よりも運動不足なので、通勤で運動ができる階段を使うことを日課にしている。

健康に気を使ってジムなどで運動している人はすごいと思う。趣味でスポーツをしている人もいるかもしれないね。

フットサル、バスケットボール、テニス、草野球・・・どれも定期的にやれている人をぼくは尊敬する。

ぼくはというと面倒くさがりだし、筋トレのように苦痛を感じることも苦手。あ、筋トレが趣味の人は「苦痛」だなんて思わないのか。
でも、とにかく「きつい」と思った時点で続けることを諦めてしまう性格なので、何をやっても長く続いた試しがない。

なので、「キツイ」「やめたい」と思ったとしても辞めようがない「通勤」を運動の時間として、続けざるを得ない状況を作るというのがぼくの習慣。


職場では当然、ぼくと同じようにデスクワークをしている人がたくさんいる。そこにいる人たちの大半はこぞってみんな「運動不足だ」と言っている。

ぼくも同じ。

みんなの言う「運動」っていうのはたぶん、フットサルやバスケットボールやテニス。それか、ジムに通っての筋トレ。もしかしたらジョギングをイメージしている人もいるかもしれないね。

そうであるなら、ぼくもみんなと一緒。「運動」はしていない。

だけど「運動をしていない」と言っている人たちよりも体を動かしている自信はある。通勤時間にホームに上がる階段だ。そのほかにも、乗車駅を一個遠いところから乗るようにして、自宅からそこまで歩くことで、あえて歩く距離を稼いでいる

そのほかに挙げるとしたら、朝晩のストレッチ。毎日10分程度の簡単なもの。

そういうわずかに体を動かすだけのことを始めて数ヶ月続けたら劇的に体は軽くなった。もう何年も前の話。

それまでのぼくは腰痛に悩まされ、肩こりに悩まされ、椎間板ヘルニアにもなりかけていた。それが、毎日ほんの少しだけみんなよりも体を動かすことを続けただけで、体が痛くなることはほぼなくなった。


ぼくは、家族の中では今のところ一番収入が多いし、家計の大半を支えている。そのぼくが体を壊したりして長期に休むわけにはいかないので、少なくとも自分ができる最低限の運動は続けるようにしている。

若い間は多少、運動不足が重なったとしても動けなくなるなんてことはないだろう。そもそも筋力があるし、代謝もいいから疲労の蓄積も感じにくい。
それが年々、歳をとっていくことによってどうしても筋力は衰えて、疲れやすくもなる。


なんてことは、みんな知っている話。

運動をした方がいいことも、言われなくたってみんな知っている。
そうじゃなきゃ自分のことを「運動不足だ」なんて言わないよね。

通勤で歩いたり、階段を登った方が運動になることだって、みんなわかってる。

だけど、なぜかそうしようとはしない。

ぼくの登る階段はいつもガラ空きだ。

その代わり、となりのエスカレーターは常に行列。みんな綺麗に一列に並んで、足を乗せる順番を待っている。

そういえば、ぼくはみんなと同じように列に並んだりすることが嫌いだった。もしかしたらそういう性格もあって、みんなと同じエスカレーターを使うことを無意識に避けているのかもしれないね。

それならそれでいい。その方が自然と階段を使うようになれたから。

階段を使うことなんて、ジムに通って筋トレするよりもずっと楽。お金だってかからない。なんならエスカレーターの順番を待って乗っていくよりも早く上に到達する。

そして何より体調が良くなる。

こんなにいいことって、ないよね?

健康で、しっかりと足が動く人たちがエスカレーターを使わずに階段を使うようになれば、本当にエスカレーターが必要な人も行列に並ぶ必要もなくなる。

それは社会にとってもいいこと。

自分が階段を使うことが社会貢献にも繋がるんだよ。

別に毎日、スクワット50回とか続けることなんて考えなくても、階段を10段登ればそれなりにスクワットと同じ効果は得られるんだし、何よりただの「通勤」なんだ。

ぼくだって、会社の入ったビルで階段を使えばもっと運動になるのにエレベーターを使ってさぼってる。まだまだ運動できる機会はあるはずなのにね。

だけど自分にとって最低限の努力でも続けていれば、やっていない時に比べたら必ずよくなるはず。


いっしょに駅の階段登りましょ。

明日から。


じゃあ、またね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?