『メグレ間違う』を読んだ
2022/11/14、読了。
ご存知『名探偵コナン』に登場する目暮警部の元ネタ、メグレ警視ものである。あのメグレも間違うことがあるのか、どんな間違いをしたのだろうと興味を惹かれて購入した。表紙の色使いも可愛い。
結論から言えば、メグレが何を間違えたのかは明言されていない。読者の想像に委ねられているといっていい。メグレものは、トリックをあくまでシンプルに抑え、登場人物の心理描写で本領を発揮する印象がある。メグレ警視も「あの時の選択は合っていたのか」と逡巡することがあるのだろうか。
血の通った人間とサイコパスの心理対決とも呼べるかもしれない。探偵小説の登場人物という枠に収まらない人間味が、ぼくがシムノン作品を好きな理由だ。