探究学習を支える大人のスタンスを垣間見た【訪問:横浜創英中学・高等学校】
横浜創英中学・高等学校、中学2年生サイエンスコースの探究学習の中間報告会を見学しました。
入るや否や、見学者の数に圧倒されます。
30人ほどの教員や教育関係企業の参加があり、注目の高さを感じます。
探究学習の概観
サイエンスコースは問題発見型の探究を実施しており、生徒自身の興味・関心に基づいた課題を設定します。
(一方、グローバルコースは課題設定型の探究)
3年間をかけて探究のサイクルを回し、今日は2年生での中間発表という位置付けで、彼らはもう1年間学習を深めていくことになります。
見守り、伴走する大人
中には、テーマが決まったばかり、という生徒もいたようです。
教職員としては型にはめないこと、口出ししないことを重要視しているそうで、
教育はエンジニアリングよりガーデニングにずっと近いという言葉もありました。
終末のクロージングの時間では、専門家につながるという選択肢も示唆していました。
潜在的な人的リソースの豊富さは注目度の高い横浜創英ならではの強みかもしれません。
生徒の姿
数あるテーマの中から、空き家、苔、渋滞、犯罪心理学、次世代旅客機、町おこし、集団心理、などの発表を聞きました。
発表
発表は短いもので3分、長いものでは20分近くにわたるものもありました。
方法はスライドのタブレット投影、ハンドアウトの掲示、ポスターセッション、体験型ワークショップ、実演など様々です。
方法までフォーマットが決まっていないのが新鮮であり、個性が出ていたのを感じました。
テーマ
設定の背景を尋ねると、自身の興味から深掘りしていった、なんとなく家族で話題になったことをきっかけにした、自分の強い思いを反映した、社会で話題になっているトピックを取り上げた、など、これまた様々でした。
どこかの方向に絞ってテーマ設定の時間を設けるだけだとこうした多様さは生まれないのだろうなと思います。
方法
方法もこれまた多様で、SNSでの発信、モニタリング調査、フィールドワーク、インタビュー、栽培などなど。
週2コマが基本の時間設定のようですが、テーマが本人のものになっていればそれ以外の時間も探究を進めていくのでしょう。
というか遊ぶように学んでいくのだろうと目に浮かびます。
生徒の姿で勝負
今回は報告会のアウトプットだけを見学しました。
講評で「過程がとても気になり、そのプロセスに伴走したいと感じた」という話題が出ました。
まさにその過程の中にこの生徒たちの学びの様々なストーリーがあったのだろうし、これからの1年がまたさらに期待されるところでもあります。
また、それを支えている教職員の方々が、探究のプロセス以外の場面でも型にはめない、口出ししないを実践している雰囲気も感じることができました。
今日は前段の説明は10分(!)で終わり、ほとんどが生徒の声を聞く時間でした。
何より、生徒の姿で勝負できる学校は、確かな理念をステークホルダーで共有しているのだろうなと感じさせられました。