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「雇用されない」はたらき方はまちの将来の形に関わる【訪問:たてよこ書店】

上越市東本町のたてよこ書店にお邪魔して、店舗を運営する堀田滉樹さんとお話ししてきました。


町家で店舗経営をする意味

町家の土間の部分を店舗にして、古本を中心に販売していました。
新刊書の並ぶ中央のおしゃれなテーブルや看板は自作だそうで、多才!

店舗の奥にある部屋を今後どのように活用するかを考えているということでした。サロン、プロジェクト学習…。今後が楽しみです。

店舗のすぐ向かい側には小学校があり、地元の小学生がいったん家に荷物を置いて書店に来て宿題をするなんていう風景もあるそうです。駄菓子は売っていないけれど、機能的には似ているなと感じました。
そして、小学生が集まってくる、という文脈に、潜在的な「学校、家庭以外の地域の場所」へのニーズを感じます。

町家で過ごした経験がある子どもが地域で育っていくことについても話してくださいました。まちに資源があることを知っているか、資源の魅力を肌で感じているか。この辺りはまちを考える上で不可欠ですが、子どもが子ども時代にそれを経験することの意味は案外抜け落ちていたなと気付かされた感があります。学校が学校の中に子どもを収めておくとまちが無くなる。

はたらくこと

堀田さんは首都圏の大学を休学して書店を始めたということで、これまで私が出会うことの少なかったキャリアを歩んでいる人の印象を受けました。
以下の記事が経緯に詳しいです。

さらに、休学中ながら複業をこなしており、現在はそれを期間で分けているため、上越でのたてよこ書店の開店は月初に限っているとも聞き、なるほどなと感じます。

雇用されて月金の決まった時間働くのでなく、自分で仕事をつくりたいと考えて行動し続ける姿勢は、まさに今読んでいる「フリーエージェント社会の到来」で描かれている姿そのものだなと思います。

そして、当初は地域のためということだけを考えて上越で始めたわけではないけれど結果的にそういう要素も出てきた、というお話にはクランボルツのいう「計画的偶発性理論」の存在を感じます。

目の前に様々なはたらき方が存在していることに、学校の中だけにいると気付けないものだなと思いました。外に出ることを大切にせねば。

堀田さんは私が前任校に転勤してきたときに入れ替わりで卒業したということでニアミスしていましたが、共通の知り合いも多くいました。
そろそろ我々の関わった生徒が社会に出てくると思うと、教育の効果は時間差で出てくることや、教師の個業の影響はたかが知れているなと確認できた気がします。

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