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メタセコイアの木々の中、てっぺん付近で鳥が鳴いたとき
ドタバタとエンジンがかかった
わっと風が吹き、木々のこすれる中
ドカドカ浮かぶ
ある瞬間を境に張りつめるような空気の音
その時から音の位相は逆転した
沈黙の中の木々の語らい、眠り
エンジンの音は遠く奥からかすかに聞こえて調和のような
そしてまた別の遠くからソラシドを歌う女神か
ほんの少しだけ
空を見上げれば木々の間から白の、緑のぼやけ、まぶしくて
黒い鳥が横切ってゆく
それを見、感じた途端
生命ではないものに頭を持たれ上へ上へと引き上げられる
メタ、と、たか…
予期せぬ俯瞰、地平の黄
すっと息をしたとき、全ては逆になり
歩み続ける

耳を澄ませたらまだ聞こえるかな
さっきの声、木々の呼吸、エンジンの調子
その鳥は遠くまで飛んでゆき冬を見渡すだろう
寒くないよ
だってそこにいる
鳥は運んできてくれるだろう
そのこころ

こころを弾ませたらもうそこにいる
夢の世界、壮大な地、人の叡智
その鳥はどこまでも飛び春を呼んでいるのだろう
寒くないさ
だってここにいる
きみは見せてくれるだろう
そのこころ


少し前のつぶやきに一部書いたものです。

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