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ロストワールド

恋を明確に失ってからはね
動揺してるんだ
それ以前からだった
後ろめたさと高い崖の淵
ぎりぎりの場所に立ち平気な顔をして
歩いていた
失ってからは崖も消えなにもない無の世界
だけど実際は毎日なにも変わらない
日常に組み込まれている鼓動
打っている

決して晴れわたることもない
雨の日の雨宿りした軒下
ずっときみのことを考えている
ずっと雨も降っていて
あっちにはきみがいる
時間が経ち今が薄れたとしても思い出すだろう
それがいいことなのかは分からない
記憶にこびりつく
ただの残された思い未熟な痛み
愛でもなく影でもない
ずっと続く雨の日

きみの忘却は
すべてにわたり
世界を消滅させるだろう
そう努力するだろう
忌まわしい記憶
濁って腐って皮肉だらけ
だから
そのほうがいい
一方が蒸発するとリンクされてた片方も消えるのかも
希望を委ねるばかりの悪癖

組み込まれた日常は変えることのできない現実
それを愛してもいる
届かなければつらいのは
存在が大きすぎるから
過去を否定したくなる
でも、
そんなことできないね
失ってしまったのは
恋じゃなく触れることで感じられていた自己
忘れないよ
あふれていた果汁
満たされていたあの世界




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