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おさまり

古い洋館
革巻きのブレスレット
淀んだ光
平気を知っているけどそうするのは困難で
立ちどまる
歌を口ずさむと気分は晴れるけど
平気じゃない
どこでも同じ光景
自信に満ちあふれた人もいるけど
紙のように見えるから
自分を表現しようともがいている
そんなあなたを知る
ただ強くなりたい

そんなことを思い出したから
巻き戻ってしまう
角の社
八畳程度の敷地
苔の道は石
狭く長い蛇
左右に家や崖があり
ふと振り返るとその目
開いている
見つめている
迷路のようなその感覚
階段を登ると折返し
狭い場所を利用している光景
傾斜地がすべて
階段ばかり狭いばかり

一方しか見えない景色
お気に入りのスニーカー
赤い夕方
自分を見つめていてもこころは広がり
遅くなり鈍くなる
筋肉を縮ませ思いっきり開放し飛び出しても
足りずこころは縮んだまま
光に照らされた笑顔を輝かせている人もいるけど
同じ表情が重なって見えるから
開放とは何かを考えている
そんな自分を見つめ思う滑稽

自分を痛めつけたくないから
考えないようにしないとね
それが自分自身を守る方法か
叫んでる
歌を口ずさみ思いっきり開放していて
やりたい放題
自分を守るとか
必要ないな
どっちにしろ炎のいけにえ
ないがしろのこころ

プロペラが祀られる慰霊碑は
いつも季節をたたえていて
見渡せる
あそこは誰もがいる場所
この手に全部が掴めるから
いるべき場所
神と社会の均衡
ちょうどいいおさまり



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