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愛の伝道師

オレは愛があふれていない
結局は他人事
愛する人たちを心配するが、それに意味がないのも知っている
だって、誰だって自分をやめられないだろう
考え方を変えさせるほどオレは崇高じゃないしね

それでもくり返し心配してしまう

だが愛のあふれてないオレは、みんなに愛を押し付けるなんてまっぴらだ
あなたを愛している人がいるから自殺するな、とか
自分を大切にしないといけないから自傷するな、とか
情けないから自虐するな、とか
愛している人が悲しむから、とか

そういうのはいらない

オレが痛いから自傷しないでくれ、それだけ
これからもかかわりたいから生きていて、それだけだ
自分を見下したっていい、その時にはオレが言うよ
あなたは最高だ
これからも一緒にいたいから
一緒に笑ったらいい気持ちだろう
その瞬間が突然終わってしまうのをとても怖がっている
そしてそれが思ったよりも薄氷の上にあるということも知っている
だから崇高な人として上からあれこれ愛は語れない
愛について一対一ならまだしも檄は飛ばせないから

オレには愛があふれていない
結局はどうしても他人事
近くの愛する人たちですら多分、どうすることもできない
向かいあい伝えるのがせいぜいだ

愛の伝道師よ、精いっぱい愛を伝えておくれ
オレができない分
愛に満ちた世界を作りみんな笑顔で暮らせられればいい
そうなればいい世界
満たされた光
常春のような現実
いいな
愛をもって異端を迫害せず
そういう日もくればいいし、くるかもしれないね


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