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ミニマリストにはなれない-本棚浪漫譚〈序〉-

元旦だけ日帰りで帰省したら色々あって見事に病んだ。
ゆっくりできて嬉しい反面、考える暇があると病むのは人の性だろうか。
帰る頃にはすっかり実家には今後もあまり帰らなくていいかなという気持ちが強まってしまったので、残してきた本や大切な思い出の品をリュックに詰め込んで自宅に持ち帰ってきた。

持って帰ってきたもののひとつが、高校生から大学生の時期に集めていた万年筆のインク。文房具が好きになったのは初恋の人の影響が強い。インク沼のイベントに一緒に行ったりだとか、ガラスペンやインクを誕生日プレゼントに贈られたりだとか(その反対に贈ったこともある)、その貰ったペンやインクで書いたお手紙を送りあっていたこととか。色々な思い出がある。※初恋の人についてはいつかどこかで振り返れたらいいなと思っている

仕事を始めてからというもの、忙しさを理由に紙ベースの日記を書くのを辞めてしまい家でもパソコンを使うばかりで万年筆を使う機会はめっきり減っていた。一人暮らしの狭い部屋は置ける物にも限りがあり、本当にお気に入りの数点以外は実家に残してきていたのだった。
しかし、最近読んでいた小説が少しばかり難しい単語が多く、スマホで意味を調べてノートにまとめるということをやっていたら万年筆とインクへの熱が再燃した。

万年筆が好きだからといって字が綺麗とは限らないということを示すには良い画像。「万年筆が好き」は必要条件だが十分条件では無いのだ、と自分に言い聞かせている。字が綺麗になりたい。



12月のボーナスをあてにして念願の本棚を買った。
本好きの人ならもしかしたら理解してくれる感覚かもしれないが、本棚は私にとって心の避難場所的な役割を果たす家具である。幼い頃から自分だけの本棚にめちゃくちゃ憧れがあった。
置けるスペースが無く本棚を泣く泣く諦めていたのだが、回転式の本棚であれば省スペースになるのでは?という天才的な閃きにより、購入に至った。買って本当に良かった。2024ベストバイ。

天板は愛猫の日向ぼっことお外観察のスペースになっており、この光景を見ることが何よりも幸せ。


本棚を購入したおかげで、本棚として利用していたデスク横の棚が一段分空いた。そこに今回持ち帰ったインクを詰め込むことが出来た。

趣味が詰まっている。最高。


本棚を買い実家から物を持ってきた私は年末の断捨離やミニマリストとは正反対の方向に駆け出し始めている。物の豊かさが人生の豊かさとは直結しないと思っているけど、物に付随する思い出や物語が私の人生に豊かさを与えてくれるから。

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