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小説 | 漂着じゃん!① (続・漂着ちゃん)
note創作大賞2024落選作品
『漂着ちゃん』の続編になります。
続編は全3話です。
続編ではありますが、「漂着ちゃん」を読んでいなくても、理解可能な物語となっています。
もちろん、フィクションです。
https://note.com/piccolotakamura/n/n0f1c41167d95
https://note.com/piccolotakamura/n/nef4ce1cdf211
小説 | 漂着じゃん!!
(1)
「神宮寺くん、『漂着ちゃん』っていう小説知ってるか?」
久しぶりに会った三葉亭八起が言った。
「『漂着ちゃん』?なんだ、それ?どこの誰が書いたんだ?」
ふざけた名前のタイトルだから、どうせどこかの素人が書いたのだろう。
「三葉亭、それってSNSか何かで投稿された小説か?」
「ああ、noteというSNSに投稿された作品なんだ」と三葉亭が言った。
「聞いたことがないな。誰か知ってるヤツが書いたのか?」
三葉亭の顔が赤くなった。
「あぁ、よく知ってるヤツだよ。中間選考ですぐに落とされたんだがな」
「三葉亭、まるで君が書いたような言い方だな」
「神宮寺、実はな、その『漂着ちゃん』はな、オレが書いた小説なんだよ」
少し私は驚いた。いまだに牛丼屋でバイトしているとはいえ、三葉亭は大きな賞を1つ獲っている。その彼が中間選考さえ通らないとは思えなかったからだ。
「三葉亭、noteというSNSの存在は知っているが、そんなにレベルが高い小説が揃っているのか?」
三葉亭はボソボソと話し始めた。
「さぁ、どうかな?少なくてもレベルは低いとは思わない。だが、noteという場の小説には、独特な雰囲気がある。少なくても、『群蔵』『慎潮』『文藝夏冬』とは違う」
「どこがどう違うんだい?」
三葉亭は、ふぅ~、と息を吐いたあと、ゆっくりと語り始めた。
『漂着ちゃん』について語る三葉亭は、悲しそうだった。
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします