短編小説 | ヒマワリへ | Heliotropism
ヒマワリへ話しかける。
「ヒマワリよ!明るい人を形容して『ヒマワリのような』と言うが、君は本当に明るい奴なのか」と。
「いいえ、決して明るい奴などではありません」
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僕はただ、明るくて眩しい人のことが気になって仕方ないのだ。あんなふうになれたらいいなって。
しかし、強烈に輝く者は、誘蛾灯のようなものだ。僕は強い光に誘われて身を焦がした者の1人だった。
アンナさんが歩けば、男はみんな振り向いた。何が特徴かと言われれば、これといった身体的な特徴はない。ただ、妖気というか、不思議な雰囲気に包まれる。オーラパワーとしか言いようがない。
僕が後ろ姿を見てうっとりしているとき、急にアンナさんが振り返って言った。
「あなた、さっきから、私のほうを見てたでしょ?」
「なんで分かったんですか?」
「なんでだろう。なんとなくだけど。あたしのことスキ?」
「えっ?いや…その…」
「君さぁ、ヒマワリみたいだね」
「いいえ、僕はヒマワリように明るくないです」
「君、勘違いしてるよ。ヒマワリはネクラな奴なの」
「どういう意味で?!」
「Heliotropism。私という太陽が動くたびに、それに合わせて顔を向ける君は、ヒマワリそのものだね」
アンナさんが太陽で、僕がヒマワリか。そうかもしれない。僕はアンナさんのことばかり見つめている。本能的なものなのか、それともアンナさんの引力なのか?アンナさんのことがスキなんだろうか?
よくわからない。。。
スキとは言えないけど、強くひきつけられてしまう人っている。もちろん嫌いでもない。
それは本能なのか?あるいは潜在的にスキな気持ちが隠れているのか?
スキも嫌いも超越した人を惹き付ける力。それを何と言えばよい?
告白水平線と言うべきか… …?
・・・とヒマワリに問うてみたい。
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記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします