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エッセイ | なんとなく繋げる表現法



It being Sunday, I stayed at home all day. 

日曜日。私は一日中家にいた。


Admitting what she said was true, I kept quiet. 

彼女の言葉は真実だと認めた。
私は黙っていた。

①も②も、英文法では「分詞構文」と呼ばれる。
①のように、主語が異なるものを「独立分詞構文」と言う。

①の主語は、前半部が「It」、後半部は「I」。
②の主語は、前半部も後半部も「I」だから、前半部は後半部に従属していると言える。

最初に分詞構文を習ったとき、
・接続詞を省略する
・主語が異なるときは主語を残す
・動詞を~ing形(あるいは過去分詞)にする
という説明を受けた。

 その説明通りに①と②を書き換えると次のようになるだろう。



It being Sunday, I stayed at home all day. 

As it was Sunday, I stayed at home all day. 
(日曜日だから、一日中私は家にいた)

しかし、日曜日にはたいてい外出することが当たり前の人ならば、
Though it was Sunday, I stayed at home all day.
(日曜日だけれども、一日中私は家にいた)
と解釈したほうが自然だろう。



Admitting what she said was true, I kept quiet. 

As I admitted what she said was true, I kept quiet. 
(彼女の言葉を真実だと認めたから、私は沈黙を貫いた)

あるいは
Though I admitted what she said was true, I kept quiet. 
(彼女の言葉を真実だと認めたけれども、私は沈黙を貫いた)


 分詞構文を「節」に書き換えるとき、どういう状況を想定するのかによって、どの接続詞を使うべきなのかと考えなければならない。

 例えば、誤解のない書き方をするならば、②の場合ならば接続詞を残して、
Though admitting what she said was true~
としたほうがいいだろう。


 とここまで書いてきて思うのは、分詞構文というものは、接続詞を使って明確に前後のつながりを表すことを避けて、『なんとなく』『曖昧に』前後をつなげることがその本質なのではないか、ということである。

 思い起こしてみると、分詞構文は小説などでは多用されるが、学術的的な論文では、「all things considered」(すべてのことを勘案すると)や「other things being equal」(他の条件が同じならば)のような慣用表現的な独立分詞構文以外はあまり用いられることはない。
 小説は曖昧さを含む表現を好み、学術的な論文は曖昧さを避ける傾向がある、と言えそうである。


 分詞構文で用いられる現在分詞(~ing形)や過去分詞(多くは過去形と同じ「~ed」形)には、「テンス」(時制)はない。主節と同時ならばそのままの形を用い、あえて(どちらが先行する出来事なのかという)前後をハッキリさせたいときには、「having」(完了形)にする。


 ロシア語にも、英語の分詞構文に相当するものがあるが、分詞構文ではなく「副動詞」と呼ばれる。
 「副詞的な役割を果たす動詞の用法」ということだろう。


まとめ


☆「分詞構文」の本質は、その曖昧さにある。

☆「分詞構文」は、なんとなく前後をつなげたいときに用いる。

☆分詞構文は「意味の不明瞭さ」と引き換えに、「簡潔かつ引き締まった表現」を選択したものである。

☆分詞構文には「テンス」(時制)はない。「同時」なのか「異時点」なのかの区別があるだけだ。


 私が思うことを書きました。内容は学術的なものですが、私が思っているだけのことなので、この記事のタイトルには「エッセイ」と付けておきました。


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単に学習法だけを取り上げるのではなく、英語の周辺の知識と身につける方法を考えます。また英語を学ぶ意義について、時折振り返ります。

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